「発音が気になって演技や話が頭に入らない」。これは、ある役者さんに対してのネット上の書き込みだ。実際の発話を分析すると「き、し、ち」などイ段の音が別の音に置き換わって聞こえたり、不自然な息漏れを感じる。このような状態は専門的に「機能性構音障害(側音化構音)」と呼び、役者という職業柄目立ってしまったのだろう。ただ、これは決して珍しい障害ではなく、程度は違えどあなたの周りに1人は該当者がいる。そんな“意外と多い“発音障害は治療の必要はあるのだろうか?
第358回のインタビューは、株式会社ハート&アート 代表取締役・作業療法士の茂木有希子先生。茂木先生が経営しているデイサービス「ダイアリー」では、現在リハスタッフが25名働いており、地域リハビリテーションを実践している。
“口腔機能発達不全症“、この病名をご存じだろうか?口腔機能は「食べる」ことはもちろん、「話す」「表情を作る」などコミュニケーションにも深く関わり、一生に渡り生活の質に直結する。この重要な機能が、定型発達児でも“発達不全“になる可能性が明らかとなり、2018年にこの疾患が誕生し保険診療の対象となった。本日はこの疾患を題材に、言語聴覚士として改めて摂食嚥下領域の支援体制について考えてみたい。