受付中2017年12月09日 07:08に投稿

SHB装着の脳卒中片麻痺患者におけるMSt後期とTStを生み出すために

私は現在臨床実習で、脳卒中右片麻痺を呈した症例を担当させていただいているPTS4年です。
四ヶ月前に発症し、運動障害の程度は右下肢BRSⅢで、足関節背屈はまったく起こらない状態です。
また右下肢の出力は全体的に低いです。著名なROM制限・感覚障害はありません。
歩行は、4点杖・SHB・左下肢0.5CM補高でリハビリ時のみ近位見守りで歩行訓練していますが、病棟内は車椅子で移動しています。右足関節背屈が起きずトゥクリアランスが消失するため、SHBと左下肢0.5CM補高していると考えられますが、それでもトゥクリアランスは減少しており、消失することも多々みられます。私の考えでは、右MSt後期とTStにおいて、アンクルロッカーとフォアフットロッカー、股関節伸展が十分に起これば、下腿三頭筋と腸腰筋を十分に伸長され、PSwにおいて股関節屈曲と足関節底屈が起きやすくなると考えています。これによりトゥクリアランスは増大すると考えています。しかし、SHB装着すると、足関節は底背屈0度で固定されるため、アンクルロッカー、フォアフットロッカーは機能しないですし、それにより股関節伸展も十分に起こりません。担当させていただく前からSHBを装着しており、自分のSHBも作成し来週には完成する予定です。バイザーの先生の考えを否定することもできず、SHBは使用せざるを得ないのですが、SHB装着した状態でも、MSt後期とTStを生み出すことによりトゥクリアランスを増大させるアプローチは可能でしょうか?また、この考えは間違っているでしょうか?どのようにアプローチするのか、SHBは外したほうが良いのか、それとも違うところにアプローチするべきなのか含め、ご指摘していただけたらと思います。よろしくお願いします。乱調乱文失礼しました。

回答2

回復期5年目のPTです。臨床実習お疲れ様です。とても大切な視点、重要な疑問をお持ちだと思います。是非、svと意見交換をして、互いに何故その考えに至ったかを意見交換してはいかがでしょうか。
私であれば作成を行うと思います。
装具の作成は歩行のバイオメカニクスの一面だけではなく、様々な要因から検討しています。運動麻痺の予後、筋緊張、非麻痺側筋力、生活様式、歩行の自立度、介護者やその介護力、経済的背景、退院までの期間とその計画、見た目、年齢、性別、ご希望、退院後のリハビリ頻度など挙げたらきりがありません…。装具により、歩行が自立できるなら作成を検討します。また、生活内に歩行する機会が増えるのならば(介助下であっても)、リハビリ内で行う練習の何倍も歩行が行えます。患者さんのモチベーションも向上するかもしれません。
綺麗に、効率の良い歩行が獲得できることが理想ですが、綺麗だけど、家に帰れない、仕事できない、散歩できない、ならば、その綺麗な歩行はPTのエゴでしかありません。装具によってロッカーファンクションが犠牲となるかもしれませんが、歩行が自立する、長距離歩けて外出できる、旅行にいける方が大切かもしれません。
一方で、運動麻痺の改善にベストを尽くせているか、まだ改善する余地がないか、見逃している要因はないかと装具の作成を検討しながらも振り返りは欠かさず行います。
まとめますと、様々な要因から検討し、必要であれば作成します。作成時には装具が生活を、人生を再起させる一助となるのかと熟慮を繰り返します。同時進行で運動麻痺の改善について再検討を繰り返します。svの方はどのうな考えで作成を検討したのか、運動麻痺の予後や改善のポイントについてどう考えていたのか聞いてみてください。きっと、新たな視点が生まれ、有意義な臨床実習となると思います。忙しい毎日とは思いますが、疑問を解決しようとするその貴重な姿勢をいつまでも大切に、有意義な実習になることを祈っています。稚拙な内容と文面、長文失礼しました。これからも応援しております。

2017年12月09日 07:25

臨床実習お疲れさまです。
色々な事に疑問を持つというのはとても良い事だと思います。
あくまで私見を述べさせていただきます。
SHBの使用に関してはメリット、デメリットがあると思います。セラピストによっても考え方が違ったりします。なのでバイザーと患者さんとよく相談して決めていく必要があると思います。
そもそもトゥクリアランスが悪いのは足関節背屈だけが原因ではないと考えられます。腓骨神経麻痺による下垂足のような背屈筋群の筋力低下のみであればSHB使用にてトゥクリアランスは改善するはずです。ただ片麻痺の場合は半身全体の筋出力が低下するため足関節以外の部位にも原因がある可能性が高いと思われます。例えば、立脚後期での体幹安定性、骨盤下制の有無、ハムストの筋出力、腸腰筋・下腿三頭筋の伸張性、ロッカーファンクションなど様々な原因が絡んでいる可能性があります。ロッカーファンクションが原因と仮説しているのであればジョイント付きのSHBを試してみるのも評価の一つになると思います。これなら下腿の前傾が可能なため、底背屈0°固定のSHBよりは股関節伸展が出やすいかと思います。
またSHB装着した状態でも立脚後期をつくり、トゥクリアランスを改善させるアプローチは可能ですかとありますが、そもそも歩くだけが歩行訓練ではありません。臥位や座位でも立脚後期をつくるアプローチは可能です。上手く歩けないから歩行訓練ではなく、もう少し難易度の低い環境で立脚後期に沿ったアプローチをすれば良いと思います。ただ麻痺は近位部から回復してくることが多いため、いきなり完全な足関節背屈は難しいと思います。近位部の筋出力や安定性が上がってくると足関節背屈が出現してくる可能性もあります。その間は装具にて足部の安定性をサポートしておくというのも一つの選択肢です。足部の安定性が改善してきたら裸足での練習を増やしていくのも良いと思います。
最初から装具なしがダメというわけではありませんが、裸足で練習したからといってすぐに足関節背屈が可能になるとは考えづらいので、何かしらのサポートか難易度を下げる必要はあるかと思います。
ここまで書いてきたとおり、これをすれば絶対的に良いというのはなかなか難しいと思うので、よく患者さんの状態を評価して治療方針を決めていって下さい。
求めている答えになっているかはわかりませんが、参考までに書かせていただきました。
実習頑張ってください。

2017年12月09日 10:20

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