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インタビュー第173回:理学療法士(PT)池田 由里子先生 -インテリア リハビリテーション- No.1

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きっかけはインテリアスクール

PT時代

インタビュアー:理学療法士を目指したきっかけを教えてください。

池田先生:中学3年の時、バスケットボール部での練習中に膝を傷めました。
その後もずっと調子が悪く、九州労災病院で関節鏡検査を受けたら
半月板と前十字靭帯の損傷と診断されました。


高校時代、2度の入院手術を経験し「自分と同じようにスポーツで怪我をして、つらい思いをしている人たちを助けたい」と思うようになり、理学療法士(PT)を目指しました。


インタビュアー:学校を卒業されて、スポーツの分野に進まなかったのですか?

池田先生:卒業後就職した熊本機能病院は、リハビリテーションについて幅広く取り組んでいる病院で、スポーツ外傷の患者さんも多く来院されていました。

そちらを自らの専門性として学びたい気持ちは上司にも伝えていましたし、多くの患者さんも担当させていただきました。

インタビュアー:スポーツリハを主にやっていて途中からインテリアをやられているわけですが、池田先生は学生の頃からオシャレがお好きだったのですか?

池田先生:当時一人暮らしだったので、自分の部屋を素敵な雰囲気にしたくて、習い事のつもりでPTになって3年目頃からインテリアスクールに通い始めました。

転職など考えてもいませんでした。
ただ、お話しを伺ったスクールの先生が、ちょうど北欧の住まいと福祉を視察して帰られたばかりのタイミングだったんです。

「車椅子を利用されている方のお宅にお邪魔したんだけど、機能的なだけではなく、すごくお洒落で美しかったのよ。あなたのように病院でリハビリのお仕事をしている人がインテリアを勉強するのはとても素晴らしいことだと思うわ。」って言われて。


その時はあまりピンときていませんでしたが、学ぶうちにどんどん楽しくなってきて、PTの資格や経験がインテリア関係の仕事に活かせないかと考えるようになっていきました。

インタビュアー:スクールに行って、そういう興味がどんどんわいてきて、その後病院を辞めて設計事務所に就職されていると思います。それは建築の分野に理学療法士として入ったのですか?それとも一般的に入ったのですか?

池田先生:理学療法士としての知識と経験があることを強みに持つ「インテリアコーディネーター(IC)」として採用していただいたと捉えています。


IC資格取得を目指して勉強している時、老人保健施設で非常勤勤務をしていたのですが、こちらの施設長に設計事務所を紹介していただきました。

医療福祉施設の建築に力を入れている設計事務所でしたので、スタッフに理学療法士資格をもつインテリアコーディネーターがいることは、医療法人や社会福祉法人のお客様にも少なからず興味を持っていただけたかもしれません。

 

感銘した北欧福祉施設の空間

北欧福祉家具時代

インタビュアー:図面なども書かれていたのですか?

池田先生:手書きの図面やパースはインテリアを勉強している時にひととおり学んでいますが、設計事務所ではCAD(図面作成ソフト CAD:Computer Assisted Design)が中心でした。

CADで一から図面が書けるようになりたかったのですが、インテリア業務がたいへん忙しくなかなか時間がとれませんでした。

内装提案に必要なこと、例えば家具のレイアウトとか床の張り分けデザイン程度ならCADを使うことはできます。

インタビュアー:設計事務所を退職されたのは?


池田先生:父と祖母が同時に入院したこともあり、一人で看病している母を手伝いたかったので、いったん退職させていただきました。患者の家族という立場を改めて知ることとなり、貴重な経験でした。


その頃、設計事務所勤務時代からお世話になっていた北欧福祉家具の輸入販売会社(株)デアマイスター社長からお声かけいただき、2001年にそちらへ就職しました。

在職中、北欧福祉施設視察の機会があり、本当に素敵な空間でとても感銘を受けました。



7年間の在職中、北欧(ノルウェー、デンマーク、スウェーデン)高齢者施設への視察に4回行かせていただきました。
高齢者施設が、普通の住宅のような、ホテルのような、美しさとあたたかさが共存した空間で、初めて見た時はとにかく驚きました。

訪問する施設の全てがあまりにも素敵なので、感動は疑問に変わり「なぜこんなに綺麗なんですか?」と施設スタッフの方に「WHY」で質問してしまいました。

落ち着いて考えればわかりますけれど、「なぜ」と訊かれても、それが当たり前なので回答に困りますよね。日本の状況などを説明して、どのようにすればこんなに美しい空間づくりができるのかと「HOW」でお尋ねするべきでした。

つたない英語でやりとりをしてやっと出てきた返事のキーワードは「習慣」でした。

文化の違いもあるかもしれませんが、施設管理者の方が、自らのサービスに自信と誇りを持って取り組んでいると、私達に話してくれたことも印象深いです。また、何が出来ないかではなく「何が出来るか」ということに着目してケアを考えているというお話も、忘れられません。


(インタビュアー:輪違  ライター:林・蜷川)

池田 由里子先生経歴

株式会社リハブインテリアズ 代表取締役

【経歴】 1968年、福岡県北九州市生まれ。

私立明治学園高等学校卒業。
鹿児島大学医療技術短期大学部理学療法学科卒業後、
医療法人社団寿量会熊本機能病院にて理学療法士として勤務。


その後インテリアコーディネーターの資格を取得し、医療福祉施設を数多く手がける株式会社硯川設計(熊本市)、北欧福祉家具輸入販売の株式会社デアマイスター(東京都)を経て、

2008年8月、株式会社リハブインテリアズを設立。

【保有資格】

理学療法士・インテリアコーディネーター

整理収納アドバイザー1級 整理収納アドバイザー2級認定講師

カラーコーディネーター2級

ハート&カラーインストラクター

照明コンサルタント

介護支援専門員

福祉用具プランナー

福祉住環境コーディネーター2級


※こちらは池田先生がTEDxFukuoka 登壇時の動画です。


「つなげ、つながる、価値の創造 - INTERIOR REHABILITATION 」

インタビュー第173回:理学療法士(PT)池田 由里子先生 -インテリア リハビリテーション- No.1

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