社長として社員へ伝えていること

張本先生:「人間とは何か？」、これがすごく難しい。 例えば、「毎日５０万あげるから働かなくていいよ」と言われたとしたら、みんな働かなくなると思うのですけど、すごく人間として堕落した人生になると思うんです。

 

では「働くとは何なのか？」私は今、たまたま生きているという感覚がすごく強いんです。 たまたまトラックに引かれていないだけで、いつ死ぬかもわからない。

 

今、私は自分の足で歩け、人とのコミュニケーションも取れますが、これは偶然なんですね。

 

この身体でこの環境に生まれてきたことは、私が選んだことではなく、すべて偶然なんです。偶然という事は、自分で掴み取った事じゃないのに、価値があるのだろうか？と。

 

人間の物事の土台は全て偶然で成り立っていると僕は思うのです。

 

では自分たちで掴む本当に意味のある事とは何か、それは“成長”しかないと思うんです。

 

ただ、私は社員を成長させるなんておこがましいと思っています。

 

成長というのは、楽をしている時にするものではなく、苦しい時に前を向く決意とか、気づきのうちに人間の成長があると思っています。

 

そう考えると、社員にはどちらかというと、「成長してくれ」と祈るような気持ちになります。

 

仕事を通じた人間成長というと、綺麗事に聞こえるかもしれないけど、真剣に仕事をしている人は本当に輝いていると確信しています。

 

理学療法士の今後

張本先生:うちの社員にも言いますが、仕事にやりがいが持てないという社員に、「やりがいがあるよ」と昔は伝えていましたが、最近はそんな社員がいれば「うん、いやなら辞めなさい、自分で選びなさい」と伝えています。

 

これは私のスタイルであって、人にお勧めしようと思いませんが、私はこの仕事に出会えて本当にラッキーだと思っています。

 

ただそれを人に強要しようとは思わない。僕はこの仕事を最高にやりがいがあって、人生を捧げる価値があると信じているけど、それは僕の場合であって、あなたがそう思うかどうかはわからないと。

 

最近では、「理学療法士や作業療法士は、将来収入が減る、職がなくなる」といわれています。私は正直、「本当に？」と思ってしまいます。

 

夜勤はないし、学会発表や論文もやる気になればどんどん出来る。開拓されていない分野は山のようにあり、すぐにパイオニアになることができる。

 

患者さんからは感謝され、２０４０年までに高齢者がどんどん増え、ニーズはどんどん増えてくる。

 

すべての専門学校卒業の平均年収から考えたら、はるかに高い給料をもらっている。今、日本に理学療法士以上に将来の可能性がある職業はいくつあるの？と

 

それでも理学療法士に未来がないというならば「辞めとけ」と思います

 

そして、私の持論ですが、幸せは自分で決めて欲しい。社員との面談時によく聞きます。『5年後どうなりたい？』年収だといくらあれば幸せなの？

 

この答えに、「なるべく沢山」と答えたら、僕は「なるべく沢山頑張れ」としか言えないのです。自分は会社でこのポジションにいたい、もしくは年収いくら欲しいという決断があれば、助言が具体的にできるのです。

 

自分の幸せを定義付けした時に、僕たちがやる努力の方向性は出てくると思う。本当に何が欲しいの？と。それは考えようと思いますね。

 

＊目次

【第1回】いざ「gene」開設へ

【第2回】社長として社員へ伝えていること

【第3回】セミナーの値段設定は適切か？

【第4回】理学療法とリハビリテーションは違う

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