
今回から足部機能シリーズという特集で4回連続のシリーズで皆様に情報をお届けできたらと思います!
本記事では、過去の記事でも一部取り上げた、足関節・足部の基礎知識について足部機能シリーズ第1弾として解説します!
歩行や立位、バランス能力に大きく関与する足部ですが、学校教育ではあまり触れていない分野で、実際の臨床では股関節や膝関節に比べて評価の優先順位が低くなってしまうことも少なくありません。
しかし、足部は身体で唯一地面と接する重要な部位です。
今回は足について、臨床でまず押さえておきたい内容を中心に解説していきます。
歩行速度の低下やバランス不良がみられる場合でも行ったと思いますが、
股関節筋力、膝関節可動域、体幹機能などを評価することが多いと思います。
もちろんこれらの評価も重要ですが、足部機能の低下が歩容の乱れに関係していることも少なくありません。
足部には
- 衝撃吸収
- 支持性の確保
- 荷重伝達
- 推進力の発揮
といった役割がありますので、これらを観ていく必要があります。
1. 足関節・足部を構成する骨・靱帯を理解しよう
足関節・足部の骨
まず足部は全部で26個の骨から構成されています。※第1中足骨の足底側(母指球)にある種子骨2個を入れると28個になります。
- 足根骨:7個(踵骨、距骨、舟状骨、立方骨、内側楔状骨、中間楔状骨、外側楔状骨)
- 中足骨:5個(第1~5)
- 趾骨:14個(基節骨、中節骨、末節骨) ※母趾は基節骨、末節骨のみ。
これらの骨は歩行や足部アーチとの関連が強く、足部機能を考える上で重要なポイントになります。アーチ機能に関しては、次回の記事で詳しく解説します。
足関節・足部の靱帯
靱帯に関しては外側靱帯と内側靱帯があり、後述する内反、外反を制御する役割を担っています。
外側:前距腓靱帯、後距腓靱帯、踵腓靱帯
内側:三角靱帯(前脛距部、脛舟部、脛踵部、後脛距部)

(藤本整形外科循環器内科HPより)
2. 足関節・足部の関節
足関節というと一般的には距腿関節を指します。
距腿関節は脛骨、腓骨、距骨によって構成され、主な運動は背屈と底屈です。
距腿関節に制限が生じると、立ち上がり動作や歩行、走行で障害、制限が出てくることは想像できると思います。

(BPM×Function HPより)

(Pinterest HPより)
距骨下関節
距骨下関節は、距骨と踵骨で構成されます。
主な運動は内反・外反ですが、実際には斜めの運動軸を持つため、回内・回外といった複合運動に大きく関与します。
歩行では、接地時の衝撃吸収、蹴り出し時の安定性向上に重要な役割を果たしています。
距骨下関節の運動軸
距骨下関節の運動軸は、運動軸を水平面に投影した線の角度が約23°、運動軸と水平面がなす角度が約 41°という研究報告があります(下図)。


そのため単純な内反・外反だけではなく、
- 外反+外転+背屈 ➡ 回内
- 内反+内転+底屈 ➡ 回外
といった三次元的な運動が生じます。
文章だけでは想像しにくいですが、坂道で身体が倒れずにまっすぐ立っていられるのは、距骨下関節の回内・回外が影響しています。
横足根関節(ショパール関節)
横足根関節は、距舟関節、踵立方関節で構成され、距骨下関節の動きによって作用が変わってきます。
後足部と前足部をつなぐ関節で、足部を柔らかくしたり、硬くしたりする調整に関与します。
距骨下関節回内 ➡ 足部は柔らかくなる(運動軸が平行になる)
距骨下関節回外 ➡ 足部は硬くなる(運動軸が交差する)

(株式会社スミスHPより)

(参考文献:入谷式足底板基礎編,2011年,p33,図26)
足根中足関節(リスフラン関節)
足根骨と中足骨の間にある関節です。
歩行時には足部の剛性を高め、効率的な推進力の発揮に関与しています。
細かな運動は少ないものの、足部全体の安定性を考える上で欠かせない関節です。
※上記図参照。
3. 足部を支える筋(外在筋、内在筋)
外在筋と内在筋を理解しよう
足部に関わる筋肉は、外在筋と内在筋の2つに分けられます。
外在筋とは?
外在筋とは、下腿から始まり足部へ停止する筋肉です。
代表的な筋肉として、前脛骨筋、後脛骨筋、長母趾屈筋、長趾屈筋、長・短腓骨筋などがあります。
これらの筋肉は歩行時の推進力や足関節の安定性に大きく関与しています。また足のアーチ機能にも関わります。
内在筋とは?
内在筋とは、起始と停止がともに足部内に存在する筋肉です。
文献では18個以上の内在筋が4層に分かれて配置されています。
以下は主要な筋群です。
● 第1層:母趾外転筋、短趾屈筋、小趾外転筋
● 第2層:足底方形筋、虫様筋
● 第3層:短母趾屈筋、母趾内転筋(斜頭・横頭)、短小趾屈筋
● 第4層:背側骨間筋、足底骨間筋
内在筋は外在筋ほど大きな力を発揮するわけではありませんが、足趾の細かな運動や足部の安定化に重要な役割を担っています。これらの筋も足のアーチに関わります。
近年では転倒予防や歩行能力との関連からも注目されています。

(株式会社RIKI HPより)
4. 意外と見落とされる「爪」の観察
足部評価というと、関節、筋力、アーチに注目しがちですが、爪の状態も重要です。
爪は歩行時にも関連しますし、重要なポイントです。
爪は単に長いか短いかを観察するだけではありません。なぜ長いのか、短いのかという観点も持つと対象者の評価の材料になります。
爪は本来巻いてくる性質があり、そこを巻きすぎないように適正な圧を地面から受ける必要があります。その機会が減少してくると、巻き爪や肥厚爪などの原因になります。
高齢者では爪のトラブルが、活動量低下、歩行能力低下、転倒リスク増加につながるケースも少なくありません。
そのため足部評価の中に、爪のチェックも行えると評価の幅が広がります。

(大木皮膚科HPより)
足部をもっと深く学びたい方へ
今回ご紹介した内容は、足関節・足部を理解するための基礎的な内容です。
実際の臨床では、
- ウィンドラス機構、トラス機構
- 足趾機能が歩行へ与える影響
- 荷重時と非荷重時で何を見るべきか
など、さらに多くの知識と観る目が必要になります。
弊社では定期的にオフライン勉強会を開催しており、記事では伝えきれない臨床のコツや評価ポイントもお伝えしていますので、足部をもっと深く学びたい方はぜひご参加ください!
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