マッスルスーツ®に携わる理学療法士【梶原侑馬先生】

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怪我に悩まされた高校時代

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- 梶原先生が理学療法士になろうと思ったきっかけを教えてください。

 

梶原先生:小学2年生の頃からサッカーのクラブチームに在籍し、厳しい練習の中、怪我が多い選手でした。そして高校1年生の入学して間もない時に、原因不明の膝痛と腰椎椎間板ヘルニアで高校3年間、思うようにスポーツをすることができず、全国の病院や整骨院・整体を訪ねました。


痛みは減少していきましたが完治はしませんでした。

そこで自分の身体のことは自分で知って治すしかないと思ったこと、懸命に治療してくださった先生への憧れ、医学的知識を得られる環境としても最も適当なのは理学療法士だと思ったことが目指したきっかけです。

 

新しい満足を生み出すことが仕事

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--現在の仕事内容を教えてください。

 

梶原先生東京理科大学発ベンチャーにて小林宏教授が開発した空気圧式人工筋肉を用いた装着型運動補助装置(介護・工場物流・農業等の身体負担軽減ロボット:マッスルスーツ)やリハビリロボットの身体的研究や技術開発・技術営業をしています。


身体的研究は、3次元動作解析装置、表面筋電図、NIRSなどを使用し、人間工学的視点を持ちながら評価・考察しています。

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実際のマッスルスーツの動画はこちら

 

技術開発としてはガイドラインなどの規格作り、マーケティングとしては臨床ではなかなか出会えないような工学系の教授や外資系の医療機器メーカーの経営の方々からアドバイスを頂き、どのような戦略で研究開発したロボットを提供していくか等も話し合っています。



技術営業としては、現場へ行って改善してほしい点や良かった点、使用用途の開拓のために現場の声を聞きながら意見交換をします。そして、その声を工学系の研究開発者に伝える役割もしています。

全体として、イノベーション、つまり、新しい満足を生み出すことが仕事ですね。それを腰部補助マッスルスーツという形を主軸として、提供しています。

 

人の手だけでは限界??

- どうして現在のような仕事をするようになったのですか?

 

梶原先生:理学療法養成校に入学する前までは、自分の手だけでどうにかできる治療家となりたいと思っていました。

しかし、人の手だけでも限界はあり、自分一人で治療や予防できる人数はかなり限られています。また外来・急性期・回復期リハビリ・腰痛の研究を経験した時に職業性腰痛も予想以上に多いことを知り予防が重要であることも学びました。



その結果私は、より多くの人の幸せや笑顔を見られること、職業性の腰痛等による離職等を減少させることを実現したいと考えるようになりました。



これまで研究して得られたことや各治療概念などを「装着型ロボット」というかたちで提供し、高度化を図ることができたらいいなと思い、現在の働き方に至りました。

 

"ロボット導入で人間(セラピスト)不要"は本当か?

 

- 今後のリハビリテーション職種とロボット(工学)との関わりについて、どうお考えですか。

 

梶原先生:リハビリロボットや介護用ロボットの開発を進めることが平成25年に閣議決定しました。

そのこともあり最近になってロボットが話題になっていますが、

もともとCPMなどは身近にありました。

ロボットは反復動作が可能であり疲れ知らずという面でメリットでした。

ロボットを使用することは「高揚感があってロボットリハを続けてみたい」という意見も少なからず聞かれます。

そして活気や抑うつ-落ち込みなどを測定できる質問紙法による気分評価では改善し、モチベーション維持向上の一助となることも分かってきました。

ロボットはうまく使いこなせば、人間だけでは実現できなかったより良い治療を提供できます。

例として「体幹の支持などをロボットに任せ、関節の動かし方など細やかなサポートはPTが担うなど役割分担をすることで、疲労が少なく質の高いリハビリができる」などです。



ロボットはあくまでも道具。物理療法と同じで、人間がいかにうまく使いこなすかが重要で、慣れれば人間だけでは実現できなかった、より良い治療を提供できると思います。


まだ研究段階のロボットもたくさんありますが、ロボットがより身近な存在になり、よりよい治療や予防ができればと思っています。


しかし、ロボット導入に対する診療報酬・補助金も十分に整備されているとは言い難いです。

多くは施設側が導入費用を負担していたり、安全性の課題など、いろいろとあるのは事実であり、解決しなければならない重要な課題です。

ロボットにしかできない治療や歩行介助、理学療法士にしかできない治療や心の触れ合い、それを組み合わせてよい治療が提供できるのが一番だと思います。


そしてロボットの安全性等の機能改善を図り、人とロボットの共存を目指し、患者さんに最適なものを提供できたらなと思います。

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どんなに優れたロボットでも、使いこなす"ヒト"が必要

 

- ロボットが導入されることで理学療法士の職域拡大につながるのでしょうか?

 

梶原先生どんなに優れたロボットでも患者さんのニーズに合った動きができなければ意味がないし、

また、身体の仕組みをわかったうえでロボットを使いこなすスキルが必要です。

近年では「工学+リハビリテーション(医学)」の分野が注目されており、日本支援工学理学療法学会・ 日本リハビリテーション工学協会などの様々な団体も設立されています。

異なる業界の組み合わせに見えますが、優れた技術をもった工学業界と、患者さんのニーズや身体機能を理解しているリハビリテーション業界は合致できると思っています。

病院だけでなく、最先端の技術を創る企業でも理学療法士の活躍の場は広がっていくと思います。

リハビリロボットの台頭は理学療法士の仕事をなくすのではなく、患者さんを知っているという最大のストロングポイントを生かし、リハビリロボットの商品開発や、工学技術者と患者さんの仲介や、営業といった新しい職域が出現してくることも考えられます。

企業と病院等のニーズをマッチングさせる仕事も実施し、セラピストの職域拡大に貢献し、社会に認められる存在になりたいですね。

 

柔軟に意見を聞き入れるコミュニケーション能力が重要

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- 若手療法士や学生さんへのメッセージをお願いします。

 

梶原先生夢・目標・目的を持ち、それらを使い分け、明解にすることが重要だと思います。目標は大きくても小さくても人それぞれでいいと思っています。


ゴールを決めて、その為に評価・考察してというリハビリの一連の考え方にも似てますよね。そして、いろいろな価値観がある人と出会い話すことは、非常に重要だと、病院から離れて今の職場で働いている時にも感じます。



人や職業によりそれぞれ考え方は違います。しかし、それらを一つにまとめることも重要です。



若いうちからアルバイトでもなんでもいいので視野を広げ、柔軟に意見を聞き入れ整理し、コミュニケーション能力の向上を図ることが重要だと思います。

 

ー 梶原先生にとって「プロフェッショナル」とは?

 

梶原先生相手や自分の事に関して、気づき、考え、行動に移し果たすべき役割を全うすることができる能力があることです。

 

 

梶原 侑馬先生 経歴

【最終学歴】
平成28年:国際医療福祉大学大学院 修士課程 保健医療学専攻 理学療法学分野 修了

【職歴】
平成25~26年:総合東京病院
平成26~28年:化学療法研究所附属病院
平成28年~現在:東京理科大学発ベンチャー 株式会社イノフィス 技術開発部

【留学】
平成23年:Sierra International College PT program (Los Angeles, California)

【資格】
理学療法士
福祉住環境コーディネーター2級
AHA心肺蘇生国際資格

 

 

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