【宮川哲夫先生|理学療法士】米国呼吸療法士を取得した呼吸リハビリの第一人者

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なんで留年しないんだ

miyagawa

【9月2日】宮川哲夫先生から呼吸理学療法の最新知見を学ぶ

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ーー 理学療法士になったキッカケを教えていただけますか?

 

宮川先生 もともとフランス文学を学んでいました。

フランス文学は心理描写が面白く、また、好きな詩人がたくさんいましたので、フランス文学を学び続けたかったのですが、父親の勧めで小児の施設見学へ行き、そこで脳性麻痺の方に対する評価や治療を見て、理学療法士の存在を知りました。

 

その時は、障害を持った方に対して何かをするという職種というくらいの印象でしたが、父親のプレッシャーにより養成校を受けさせられ、進路変更を余儀なくさせられました。

 

ですから学生時代は無茶苦茶でしたね。

 

日本理学療法士協会長をされた中屋先生が小生の恩師ですが、中屋先生に「俺の教育概念を変えたのはお前だ」と言われました。

 

一般に、学生時代の成績の良い学生が将来も頑張っているという概念が崩れ、学生時代の成績は将来には関係しないと思われるようになったとか。

 

授業の1/3はお休みして、授業は出席しても聞いてないしノートも取らないし、試験も60点しか目指しませんでした。

 

ロックバンドでベースを弾いていましたが、そちらが第一優先でした。

 

しかし、留年はしませんでした。

 

周りからは何で留年しないんだとよく言われていました。

 

実習で患者さんをみさせていただくようになって、このままじゃいけないと思い、そこから勉強をするようになりました。

 

また、実習中に英語の文献などを見て、世の中にはこんなに頑張ってる人がいるんだなと感じ、将来は自分も研究をして論文を書くようなPTになろうと思いました。

 

呼吸理学療法の改革へ

働きはじめて4年間は小児の施設にいて、そこで「重度脳性麻痺児の呼吸機能について」研究していました。

 

しかし、どうしても留学したいと思っていたんですね。

 

フランスに留学してフランス文学を学び、後々は翻訳家になろうかなんて思っていました。

 

それで東京へ出てきて、夜はフランス語を学びに行っていました。

 

一応、呼吸の勉強のための留学ということで、リオン大学を選びました。

 

フランスのリオン大学は呼吸のリハビリの草分け的なところで、最初はそこに行こうと思っていたのですが、色々と調べているうちに、アメリカに呼吸療法士という職種があることがわかりました。

 

その頃の呼吸理学療法は、教科書もなく排痰法と腹式呼吸しかない、まだまだ学問的ではなかったので、それを改革するには呼吸管理の知識があった方がいいと思い、アメリカに行くことを決めました。

 

試験を受けてUCLAに行けそうになった矢先、ハワイ大学からアメリカの呼吸療法士が来て、日本で講演会があり、そこでハワイに来ないかとお誘いを受けました。

 

挿管から人工呼吸器の設定まで

miyagawa

 

ーー ハワイ大学の米国呼吸療法士というのは?

 

宮川先生:アメリカには呼吸療法士という資格があり、1960年に制度化されています。

 

内容は、一番は呼吸管理ですね。

 

酸素や気道の管理、動脈血を採血して分析し、人工呼吸器の設定を変えることもします。州によっては挿管できるところもあります。

 

在宅人工呼吸療法や在宅酸素療法など呼吸リハビリテーションを含み、呼吸ケアのほとんどを行う職種なんですね。

 

アメリカの理学療法士はあまり呼吸については関与していません。

 

呼吸療法士は国によって制度化されていますが、アメリカやカナダは昔からあって、アジアでは台湾や中国、フィリピンが制度化しています。

 

ヨーロッパは理学療法士や看護師が行っているので呼吸療法士はいません。

 

ハワイ大学の教授が、元々フロリダ大学にいらした先生で、そこの呼吸管理は全米でも8本の指に入る大学で、人工呼吸器のIMVやAPRVのモードを作ったところです。

 

実習はそこで勉強してきました。

 

臨床工学技師も取得

 

ーー 呼吸療法士にはどうすればなれますか?

 

宮川先生 まず大学に入学しなければなりません。

 

短大と大学とあります。

 

そのあとは日本の国家試験のように登録制度になっています。

 

そこで登録されると次は州ごとのライセンスを取るために試験をうけなければなりません。

 

州が変わればまた違う州の試験を受けなといけません。

 

ーー 日本の理学療法士に米国の呼吸療法士の資格を持ってる方は何名ほどいらっしゃるのですか?

 

宮川先生 理学療法士が4名ほどで、看護師も4名ほど、臨床工学技士も1名います。

 

ーー 日本に帰ってきた時に呼吸リハという概念がなかったと思いますが、周囲との衝突とかはありませんでしたか?

 

宮川先生 その時は、ちょうど呼吸リハを広めていかなければならないという時期で僕にとっては追い風だったんですね。。

 

日本全国に講演して回りました。

 

講演行っていない県はありません。

 

 

ーー 先生は、臨床工学技士の資格も取得されていますよね?

 

宮川先生 それは、臨床工学技士が出来たときの特例の移行措置で取得しました。

 

私はアメリカの呼吸療法士の資格を持っており、呼吸ケアについての経験があったので、2週間の講習を受けて国家試験を受け合格しました。

 

【9月2日】宮川哲夫先生から呼吸理学療法の最新知見を学ぶ

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宮川哲夫生先生経歴

ハワイ大学呼吸療法学科卒業

昭和大学保健医療学部理学療法学科教授

NPO日本呼吸ケアネットワーク(JRCN)理事長

日本呼吸ケア・リハビリテーション学会代議員・監事

日本呼吸療法医学会代議員

米国呼吸ケア学会(AARC)国際委員会日本代議員

アジア・太平洋呼吸ケア学会(APARC)理事

■主な書籍

 

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他多数。

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