非常に興味深い最新の研究結果が群馬大学の研究グループから発表された。
〔Image:Pixabay〕
「さする」となぜ神経の突起が伸びるのかという分子機構|細胞伸展の感知センサー動作原理を発見
2010 年に群馬大学大学院医学系研究科の柴崎貢志 准教授は世界で初めて神経回路形成時に細胞膜上に「さする」様な物理的な刺激が加わり、これを TRPV2 タンパク質が感知することで、神経の突起をより長く伸ばすことを見いだした。
以下、2010年に発表された神経の感知センサーの研究。
「さする」と反応、神経の突起を伸ばす新たな分子メカニズムを解明 ―神経の細胞伸展の感知センサーを発見―
〔Image:国立大学法人群馬大学大学院医学系研究科〕
そして今回は、さらに飛躍した研究報告となっているようです。
今回、神経が伸びていく際に重要なセンサー・タンパク質 TRPV2 (トリップブイ2)がどのようにして、「さする」様な物理刺激をキャッチし、神経の突起を伸ばすことにつなげているのかを分子レベルで明らかにしました。
傷ついた神経の再生にもつながる大きな成果です。
これについて柴崎准教授は、以下のようにコメントしています。
「損傷部位を自然となでたりさすったりする行為には、TRPV2 センサーを活性化させ、損傷部位の神経突起の再生を促そうという無意識の意味合いが込められている可能性があります。
我々の実験結果から、リハビリとして運動することで大きな物理刺激が加わり、これが TRPV2 センサ ーを活性化させていると考えられます。そして、TRPV2 センサーが傷ついた神経回路の再生を促している可能性が高いです。
この知見を応用すれば、さらに効果的なリハビリ(運動機能回復)手法の開発につながると考えられます。」
「手当て」という言葉があるように、さするだけでもヒトに大きな影響があることはわかっていました。
今回は分子レベルで、神経回路再生の可能性を広げてくれる大きな研究結果。
詳細な解説は引用元よりぜひご一読ください。
文責 POST編集部 林 祐介
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