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第二回:医療は人をよくするけど、幸せにはしない【TAKT EIGHT代表 | 中村 尚人先生】

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一般人が作った料理の方が料理人より美味しい状態

 

― ボディーワークの世界に目覚めたきっかけは?

 

中村先生 幼少期より少林寺拳法や合気道を習っていたので、もともと身体を動かすことに興味がありました。

 

あるとき友達にヨガに行こうと誘われて参加したのですが、全然出来なくて悔しい思いをしたことがありました。

 

自分の身体には自信があったのですが、ヨガのポーズ(アーサナ)をとるたびに「いてー」って叫んでいましたね。

 

でも周りの女性たちは普通にポーズをとっていて、自分は身体の専門家なのに出来ていないことに危機感を覚えました。

 

料理の専門家が料理の方法を教えているのに、一般の人が作った料理の方が美味しいっていう状況ですよね。

 

これはまずいなと思い、ヨガスタジオに通うようになったのがキッカケです。

 

それからは、ヨガセラピーというものを学んでからは、ヨガの世界にどっぷりハマりました。

 

ヨガは身体を整えるだけではなく、心も整えるんだということに気づきました。

 

 

心身の両方にアプローチ

― ピラティスはヨガをやり始めてから興味を持ったのですか?

 

中村先生 ピラティスはヨガをやり始めたのとほぼ同時期で、ヨガスタジオの隣でやっているのを覗いたら理学療法士がやる腰痛体操みたいなことをやっていて興味を持ちました。

調べていくうちに、ピラティス開発者のJoseph H. Pilatesという人が書いた「Pilates’ Return to Life Through Contrology」という本に出会い、「医療は人をよくするけど、幸せにはしない」と書かれていたことに衝撃を受けました。

Pilates' Return to Life Through Contrology
Posted with Amakuri
Joseph H. Pilates, William J. Miller
Presentation Dynamics Inc

 

例えば、自殺未遂で手首に傷がある人の傷を、医療で治療しても心の問題が解決されていなければ、また繰り返しますよね。

 

ヨガをやっていても心の話をよく聞いていて、身体を診るだけでは「治った」と言えないのではないかと考えるようになりました。

 

自殺で入院してきた患者さんを、医者が手術して治したら、退院日に病院の前で車に飛び込んで自殺した人がいるという話も聞いたことがあります。

 

大学病院にいた時も、「助けてくれ、おれはこの病院に殺される!!」と叫んでいる人を担当して、自分はベッドサイドでただ手を握りながらどうすることもできませんでした。

 

病院は人を助けるための場所なのに、錯乱状態の方に「鎮静剤打ちます」と言ってる場面を見ると、「医療ってなんだろう」と思いますよね。

 

少なくとも人を幸せにはしていないと感じました。 

 

心身の両方にアプローチしないとダメだと思い、そういう風な考え方を持ったヨガとピラティスに、はまっていきました。

 

ヨガの解剖学

ー ヨガをやっている人に解剖学を教え始めたのはいつ頃からですか?

 

中村先生 だいたい臨床7年目くらいのときからです。

 

前は今みたいに理学療法士でヨガをやっている人が少なかった時代なので、一緒にヨガをやっている仲間から「身体のことを教えてほしい」と言われ解剖学の勉強会をやっていました。

 

そのうちに、口コミで他のスタジオからも参加希望の人が増えてきて、大きいヨガスタジオからもオファーがくるようになりました。

 

内転筋は本当に股関節の内転作用?

ー ボディーワークを行う中で、理学療法のヒントに繋がることってありますか?

 

中村先生 例を挙げたらキリがないですが、身体を動かして自分で感じてみると、医学書は誤りだらけだというのが分かります。

 

例えば、大殿筋は股関節の伸展に使うという話がありますが、お尻を触りながら歩いてみると伸展するときには働いていないことが分かります。

 

「立脚中期は中殿筋が大事だから、股を外に開く運動をやりましょう」というのも微妙ですよね。中殿筋の主な働きは外転作用じゃなくて内転制動作用ですよね。

 

内転筋も前後開脚を止める働きだから、坐骨結節に着く大内転筋と、恥骨に着く他の内転筋があります。内転筋は外転を止める働きをするのであって、純粋に内転するエクササイズをやるのは専門家の指導ではないですね。

 

教科書には内転筋の説明に股関節の内転作用と書いてありますが、外転制動が正しいはずです。求心性収縮を主な働きとする現状の定義には大いに疑問があります。本来下肢の主要な働きは遠心性収縮ですよね。

 

これも動いていく中で分かってきたことです。論文や教科書を読んだら、自分で動いて試してみることが大切です。

 

難しいけど、勉強したほうがいいと思う。

 

次のページ>>教科書の嘘。自分で動いて確かめる【TAKT EIGHT代表 | 中村 尚人先生】

 

ピラティス養成講座無料説明会開催

500名以上の療法士にご回答いただいたアンケートを得て、改めて療法士のボディワークに対する意識・興味の高さを感じました。そこで今回、様々なボディワークがありどれを選択すればいいかわからない方々向けに無料説明会を開催する運びとなりました。

日時

2017年8月19日(土) 10:00-15:00 予定(9:15開場)

場所:エバーウォーク両国店 墨田区石原3-27−10 原田ビル1階

※会場への電話連絡はおやめください。

参加費:無料

 

中村尚人先生 プロフィール

株式会社P3 代表取締役

身体と心の運動に取り組み、予防医学の実現を目指すヨガ講師

理学療法士として医療・介護分野にて臨床経験を積む中で、病気になってからよりも、病気にならないようにする事の重要性に気付き、予防医学の実現のためにヨガとピラティスのスタジオを立ち上げる。自らまとめ上げたピラティスメソッドやウォーキング法の指導者育成をはじめ、執筆活動、各種講演、日々の運動指導に携わる。


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