慢性痛患者を担当しているセラピストは多いと思うが、今回はその疼痛が認知機能にも影響を及ぼすという報告を紹介する。
疼痛が認知機能に及ぼす影響を調べた米California大学San Francisco校のElizabeth L. Whitlock氏らは、住民ベースのコホート研究を行い、持続性疼痛があると認知機能の低下が加速され、認知症と診断される確率が高まると報告した。詳細は、JAMA Intern Med誌電子版に2017年6月5日に掲載された。
詳細を読む(引用元):日経メディカル
これは前向きコホート研究で、2年おきに対面または電話インタビューによって行われた質問紙法によって行われたものである。
慢性痛は近年、痛み伝達系の末梢神経から大脳皮質にいたるまでの様々なレベルにて、可塑性変化が生じることが着目されている。
また、痛み治療のグローバルスタンダードとしても、認知行動療法などの中枢系へのアプローチが取り入れられてきている。
今回の研究を受けて、慢性痛のある高齢者は認知機能が低下している可能性を考慮し、患者対応や評価を行う必要性があると考える。
当然、整形外科クリニックであっても、患者をトータル的に見ていく上でとても大切な視点である。