第67回:開発途上国で働く療法士対談 —シーズン2ー

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なぜ「海外」を目指したのか?

POSTインタビュアー細川:では、今の話も踏まえてざっくばらんでいいのですが、皆さんが海外を目指した理由を教えて頂けますか?

岩田先生:じゃあ僕から。最初のきっかけは、もともと海外志向があったわけではなく、働きだして3年目くらいに三重県士会主宰の新人教育プログラムで、「世界の理学療法」という講演を拝聴いたしまして、そこで、世界には養成校すらないとか、療法士がいても本当に少ないという事実を聞いて、自分の目で現場を確かめてみたいと思ったことですね。

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インタビュアー輪違:僕も聞いたことあるんですが、「世界」でした?笑。なんかアジアの途上国ばかりの話だった気がするんですよね。先進国がなかったというか。

岩田先生:確かに、先進国ではなかったです。というより先進国の話ができる療法士が少ないかもしれませんね。卒前教育でも学んでいませんし。だからJICAボランティアの経験者に声がかかっているんでしょうね。

POSTインタビュアー輪違:じゃあ名前は世界ではなくアジアですね。笑

一同:笑

岩田先生:確かにそうかもしれませんね。笑

インタビュアー輪違:こんな感じでざっくばらんに話しましょう。

小泉先生:それに通じるかわかんないですけど、今リハレポ(http://1post.jp/2014/09/01/reharepo1/)って企画をやっていて、30カ国に渡ってレポートを配信しています。それでも多いと思ったんですけど「世界」となるとまだまだですよね。

インタビュアー輪違:一回だけ読んだことがあります。

小泉先生:それは嬉しい。先ほどあげた30国から日替わりでレポートがあがるんで、また是非みて頂きたいですね。

インタビュアー細川:そんな小泉先生が、海外に行かれた理由を聞いてもいいですか?

小泉先生:僕はですね、父親がずっと海外に駐在していて、もともと海外で働きたいなと思っていたんですね。それで、単純に協力隊が一番簡単だったという感じです。笑

インタビュアー細川:そうなんですね。日本では勤務していたんですか?

小泉先生:はい、3年間埼玉県内の大学病院で勤務していましたね。先ほども言いましたが、協力隊は臨床経験が3年くらい必要なんですよね。入職する時から行きたいなーって思っていて、3年たっても思いが変わっていなかったんで、「じゃあ行こー」っととなったわけです。

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インタビュアー細川:そんな軽い感じってことは、英語とかはもうペラペラだったんですか?

小泉先生:いや、英語はねー別問題ですね。笑

岩田先生:あれ?帰国子女でしょ?

小泉先生:まぁまぁまぁ、昔いたらしいけど。3歳くらいまではイギリスにいましたね。でも全く覚えてないんで!

POSTインタビュアー輪違:覚えてないのに海外行こうと思ったんですか?笑

小泉先生:覚えてないのは関係なくて、父親を見てですね。イギリスとかアメリカとかにずっと駐在だったんで。じゃあなんでモンゴルかって話ですよね?笑

インタビュアー輪違:はい、そこが一番重要ですね。なんで先進国じゃなかったのか。

小泉先生:協力隊って国をいくつか選べるんですよね。応募するときに第三希望まで提出できるんです。ただ募集がでる時に応募できる国が違うんですよね。もちろん、協力隊っていうくらいなんで先進国は含まれていないんですよ。それで、なんでモンゴルかって話ですよね。えーっとですね、選んだ理由は自分が住んでいる町に結構モンゴル人がいたんですね。

POSTインタビュアー輪違:それが一番なんですね。笑 ちなみにそれはどこですか?

小泉先生:埼玉のある市です。言ってもわかんないですから。笑 それで、元々アジアに行きたくて。帰ってからでも行けるじゃないですか、アジアだと。中南米だとなかなか難しいですよね。それでモンゴルを選んだ感じですね。

インタビュアー輪違:でも一番の動機が、町にモンゴル人がたくさんいたからってのは興味深いですね。

小泉先生:動機なんて何でもいいんですね。何でもいいから。

一同:爆笑

インタビュアー輪違:それ、結構大事な言葉ですね。何でもそうですけど、はじめる時の動機なんてなんでもいいんですよね。

小泉先生:そうそう、わざわざ高尚にする必要はない。

POSTインタビュアー細川:なるほど。ありがとうございます。では、続いて吉田先生お願いします。

吉田先生:はい。僕はですね、病院に勤めている時に、PTとかOTの社会的地位というのを考えたんですよね。例えば、患者さんに聞いてみると「PTって何?OTって何?」となるわけです。入院してからはわかるんですが、入院するまではわからない人が多い。どうしてもそれがひっかかっていて、療法士の社会的地位をあげるにはどうしたらいいんだと思っていました。それで、例えば、てっとり早いのは県士会の広報活動に参加するとかだなと思ったんですが、それとは違った視点でアプローチしたいなと思ったんですね。その時に思ったのが、一般企業にOTとして入って、そこで「療法士ってこういうことができるんだよ。」とアピールをしていきたいと思ったんですね。それで、そこに入るにはどうしたらいいかなって思ったのが最初のきっかけです。

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小泉先生:え、そんな真面目な動機?

一同:爆笑

吉田先生:真面目ですよ。笑  それで、一般企業に入るためには何ができるかをひたすら考えたんですね。ちょうどその頃、日系企業が中国に進出する時で、それで中国かなと。2年前くらいにもうすでに日本と同じくらい高齢者や障害をもった方がいるのに、リハビリテーションが発展していない。人口は中国のほうが日本に比べて多い。そう考えた時に可能性がもの凄くあるなと。それで希望3カ国を全部中国にしましたね。

小泉先生:え!笑 こんな人いない!笑

吉田先生:むしろ、「中国しかいかない!」と。そうでないと、企業に入って療法士としての自分を売るという自分の目標が達成できないですからね。だからアフリカとかではなく中国にしました。

インタビュアー細川:なるほど。

—続く。

次回:日本のリハビリサービスが海外で通用する可能性

経歴

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<岩田研二先生>
2007年:藤田保健衛生大学リハビリテーション専門学校 理学療法科 卒業
2010年:日本福祉大学通信教育部 福祉経営学部 卒業
2012年:藤田保健衛生大学大学院 保健学研究科 卒業
 
職歴
2007年:医療法人松徳会花の丘病院 リハビリテーション科 理学療法士
2013年:Phrapradaeng Home for Disabled People 理学療法士(青年海外協力隊 タイ)
 
受賞歴
2011年:藤田リハビリテーション関連施設臨床研究会 優秀発表賞
2013年:第24回「理学療法ジャーナル賞」奨励賞
 
所属団体
開発途上国リハビリレポーター 副代表
「途上国にリハビリ道具を届けませんか?」プロジェクト代表
Anatomy&Physiotherapy(Facebook)A translator on Tuesday in japanese page
SIGNALリハビリ勉強会 運営スタッフ(国際部担当)
日本理学療法士協会HP 国際コラム担当
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 <吉田太樹先生>

2009年 山形県立保健医療大学卒業
2009年 東京湾岸リハビリテーション病院
2012年 JICA青年海外協力隊 中国派遣
2014年 東京湾岸リハビリテーション病院(現在)

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<小泉裕一先生>

専門学校卒業後、埼玉県内の大学病院で勤務。3年間勤務し、青年海外協力隊員としてモンゴル国立第三病院へ派遣された。派遣中から開発途上国リハビリレポーターというweb企画を立ち上げ運営している。(30ヵ国からのリハビリレポートを日替わりで配信するもの)帰国後は訪問看護ステーションで勤務している。
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