日本老年歯科医学会は、摂食嚥下障害や咀嚼機能不全といった航空機能障害までの途中段階に「口腔機能低下症」と「オーラルフレイル」が存在すると仮定している。
Photo:「口腔機能低下症」を診断しましょう
また、2016年に発表された、口腔機能低下症記録票によると、口腔内環境や咀嚼機能・嚥下機能等を評価する7つのバッテリーのうち3つが当てはまると口腔機能低下症に位置付けられる歯科診療所による対応が必要になる。
オーラルフレイルに関しては地域保健事業・介護予防事業による対応が必要で、口角にご飯粒が良く付く、よく食べこぼしがある 、口が渇く、口臭が強くなった 、滑舌が悪くなったなどがその兆しである。
スクリーニングには厚生労働省が2014年に出している高齢者歯科口腔健診表が有用である。
特に注意が必要なのが独居の高齢者で、1人で食事をすると自分の好きなものだけになってしまい、口腔機能を低下させるような軟らかい食事や栄養バランスの偏りにつながる。さらに、会話が無い事で唾液の分泌量が低下し、誤嚥を起こす危険性がある。
我々、医療職はオーラルフレイル段階の高齢者と触れる機会も多いと思われる。そのためにはもっと歯科医や歯科衛生士らと連携を強化しなければならないのではないか。