【最新研究】作業記憶(ワーキングメモリ)の脳メカニズムを解明

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東京大学薬品作用学教室の佐々木拓哉助教らの研究グループが、作業記憶(ワーキングメモリ)脳メカニズムを解明した。

▶︎ 作業記憶(ワーキングメモリ)の脳メカニズムを解明 ~複数の位置を記憶する空間迷路課題をラットに解かせて検証~

 

 

研究では、ラットの脳に数十本の金属電極を慢性的に埋め込み、神経細胞の電気活動を記録した。

結果、海馬の近傍に位置する歯状回を破壊したラットでは、課題の成績が有意に低下した。このことから、歯状回の空間作業記憶への必要性が示唆された。

 

次に、このような歯状回破壊ラットにおいて、歯状回からの神経入力を受ける海馬の神経細胞群の活動を解析し、正常ラットとの違いを検証したところ、正常ラットでは、各アームにて報酬を 得ている時には、神経細胞集団の同期活動が観察されましたが、歯状回破壊ラットではこのような活動は低下していた。

 

この同期活動には、動物が特定の位置にいるときに強く活動する海馬の神経細胞の発火が含まれており、特に正常ラットでは、これから訪れるべき報酬位置に対応した場所細胞の活動が有意に多く含まれていた。

 

以上の結果から、①歯状回が海馬神経細胞の同期活動の発生に重要であること②空間作業記憶の保持には、記憶の必要性に応じて、海馬の神経細胞の活動量が適切に制御される必要 があること、③こうした特徴的な活動には歯状回が必要であること、が示された。 

 

なお、この研究は1月16日にNature Neuroscience誌に掲載されている。

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【最新研究】作業記憶(ワーキングメモリ)の脳メカニズムを解明