タイと日本の短下肢装具の違い
日本の義肢装具士とタイのテクニシャン(資格なし)が作製した短下肢装具の写真です。どちらがタイのテクニシャンが作製した短下肢装具か分かりますか?奥の装具がタイのテクニシャン、手前は、「途上国にリハビリ道具を送りませんか?」のプロジェクトを通して日本から送ってもらった日本の義肢装具士が作製した中古の短下肢装具です。全然違いますよね?結局、タイでは装具を作製したのに、まったく合わなくて使い物にならないケースも、しばしば起きています。これはカンボジアでも同様です(カンボジアの記事)。また、タイの理学療法士は、装具療法に関しての知識は少なく、脳卒中に対しての治療アプローチをみても、装具を装着しての訓練は少ないです。
タイには義肢装具士(CPO)はいないのか?
います。義肢装具士の国家試験も約5年前に施行されました。学校は、タイ国内でマヒドン大学医学部義肢装具学科のみです。これまでの卒業生は100名程度です。元々技術者で経過措置期間に国家試験に合格した方もいますが数は圧倒的に不足しています。国家試験に合格した義肢装具士は日本の義肢装具士と遜色ない知識・技術をもっていますが、数が少なく首都バンコクで勤務している人がほとんどですので、なかなか地方では患者に適した装具が作製できない現状があります。また、タイでは現在の日本のように義肢装具会社が病院や施設を訪問して営業することはなく、義肢装具作製施設が病院に併設されています。つまり病院へ行くことができない人は原則、義肢装具を作製することができません。障害者手帳があれば、補助がでるため、プラスチック短下肢装具であれば無料で作製できますが、物によっては自費が発生します。
下肢装具があれば、歩ける人がいる
歩行動画はこちらよりご覧下さい。