腸活とアロマ
最近ではメディアでも「腸活」が話題となっており、腸内細菌への注目も高まってきました。
腸内細菌と聞いて多くのひとが思い浮かべる症状といえば、やはり”便秘”ではないでしょうか。
便秘は若い女性や妊婦さんの悩みと思われている方も多いと思います。
しかし実は高齢になるほど、便秘で悩む方の割合が多くなるということをご存知でしたか?
厚生労働省のデータによると、便秘の有病率は日本人成人の7人に1人。その割合は60歳を超えてから多くなり、70歳~80歳にかけては急激に増えていきます。
性別では、50歳代以下では女性が圧倒的に多く、70歳代後半からは徐々に男性の便秘人口が増えていき、女性よりも数が多くなります。
便秘は老若男女問わず、悩みが多い症状の一つであり、全ての年代に共通した“悩みの症状”であると言えます。
【便秘になるとどのような事が起きるのか】
便秘の症状は腹痛や腹部の張りなどの「腹部症状」が多く、肌荒れや口臭、おならが臭くなることもあります。
便が腸内に長時間貯留するため、時間の経過とともに便が腐敗して腸内環境が悪化します。
その腸内環境の悪化により、血液中のコレステロールの上昇や糖の分解・吸収の低下を招いて「高血圧」「高脂血漿」「高血糖」を引き起こす原因にもなります。
【そもそも、なぜ便秘になるのか】
便秘になる原因は大きく分けると3つ。
①自律神経の乱れ
②腸内運動(蠕動運動)の低下
③肛門周囲の筋機能の低下
3つの原因の中でも、最も多いのが、暴飲暴食・不眠・睡眠不足など不規則な生活習慣による”自律神経の乱れ”です。
便秘改善には生活習慣を見直すために「食事」「運動」による治療が基本ですが、
乱れてしまった自律神経を整えることも便秘治療の一つです。
その自律神経を整えるための簡単で効果的な方法として、いま注目を浴びているのが“アロマテラピー”です。
自律神経に対してなぜアロマなのか
アロマテラピーは嗅覚を利用します。
嗅覚は他の五感とは神経経路が異なり、鼻腔から入ったニオイは嗅細胞を刺激したあと、視床下部や扁桃体を通過して前頭皮質で香りを感じます。
視床下部や扁桃体は特に睡眠との関係性が強いと言われています。寝不足や不眠症に悩む人の多くが、扁桃体に活発な動きが見られたり、
交感神経が優位になりやすく心拍数や血圧が上昇しています。さらに気分の落ち込みやストレス反応が大きくなるなど、
気持ちの変化による心身のバランスの崩れが自律神経の乱れへと繋がっていきます。
癒しを与えるアロマテラピーの嗅覚への刺激は、視床下部や扁桃体に作用して、自律神経や情動を整える効果が期待されています。
ヒトは約400種類の嗅覚受容体を持つと言われており、その組み合わせにより数十万種類あるといわれる“ニオイの物質”を嗅ぎ分けることができます。
その数十万種類あるニオイの中でも、アロマ精油の“ラベンダー”の香りは自律神経の調整に特に効果的です。
ラベンダー精油は脳波のα波が増加しやすくなり、体温、血圧を低下させることが証明されています(副交感神経優位)。
α波が増加することは、心身をリラックスさせる方向に働きやすくなり、より副交感神経が働きやすい環境となるため、腸内の動きも活発になります。
平成28年「国民健康、栄養調査」では、運動習慣がある人の割合は男性が35%と女性が27%。運動を習慣的に行なっている方の割合はやや少ないという結果が出ています。
皆さんも現場で、セルフトレーニングや生活指導を行う中で、食事と運動指導は特に頭を抱える問題ではないでしょうか。
しかし、アロマテラピーは嗅覚を利用して自律神経を整えるため、ご利用者にもアドバイスを簡単にお伝えすることができ、継続して行っていただくことができます。
近年はたくさんのアロマ活用法が発表されており、アロマテラピーは特に注目を浴びています。
この機会に、もっとアロマについて学んでみませんか。
セミナー情報
アロマセラピスト養成講座~現場で使えるアロマリハの技術~
日程:
5月19日(基礎編・イントロダクション)
7月8日(神経血管編)
9月8日(リンパドレナージ編)
11月17日(応用編・整形疾患へのアロマ)
時間:10時~15時
会場:熊本市北区龍田町弓削867−1
リハビリセンター smileスミレ 光の森
募集:医療従事者(定員40名)
受講料:単発でのお申し込み 12,000円
全4回のお申し込み 40,000円
お申し込み:入力フォームよりお願いします。