第一回:編集長今井俊太の読書感想文ー人生の勝算の賞賛ー

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単なる自伝、ビジネス書ではない本

さて勝手にはじまりました。今井俊太の読書感想文。

記念すべき第一回目は、最近話題の「人生の勝算」です。

実際は、出版当初(昨年の今頃だったと思う)から話題でした。

なぜ今、話題なのかという点はあえて控えたいと思います。

約1年前に読んだ本ですが、最近また読んでみたので、私見たっぷりに感想文を述べたいと思います。

 

そもそも、みなさん読書しますか?

私は、早くて1日1冊ペース。

最近の流行りは「日本文学」、

その中でも「山月記」は今の自分にマッチした内容でした。

この読書感想文はまた今度。

 

では本題。

この本の登場人物は、SHOWROOMを運営されている前田社長。

「単なるビジネス本は書きたくなかった」

と本人が語るように、自伝的内容が主ですが、その中から仕事に関するヒント、

”人生の勝算”をもつためのエッセンスがたっぷりと描かれています。

 

単なる自伝ではないところがまず、面白く、言葉の節々に混ざる独特な言い回しが、どこか小説のようにも感じます。

個人的に刺さったのは、冒頭部分。

 

僕の心は、重たくて大きい何かにぶつかって散り散りに割られたガラス片のように、

不規則に鋭く尖って、周りを近づけませんでした。

引用:前田 裕二 著:人生の勝算 (NewsPicks Book)より

 

ビジネス書ではあまりみられない表現で、それがストーリーに引き込まれる部分でもありました。

それ以降も、時折小説家の顔が見え隠れする点があり、

著者の繊細の心模様が手に取るように実感できます。

泣きそうになる、はじめてのビジネス書です。

 

かといって、ビジネスの話はしないのかというとそうではありません。

中盤あたりに、SHOWROOMの説明がちらほら出てきますが、

その中で「ファンビジネスのモデル」を4象限マトリクス分析を用いて説明しています。

非常に興味深く、SHOWROOMで行なっているビジネスがよくわかります。

同時に、自分が行なっているビジネス、仕事において個々人が同じ分析を行うことで、

自分自身が生きる場所を探すことができます。

つまり、”人生の勝算”を俯瞰的に分析するということですね。

自分ではわかっているつもりでも、

文字に書いたり、図で書くと俯瞰して自分自身を観察できるのでオススメの方法です。

 

成功体験を積み上げる意味がわかる本

よく「小さな成功体験を積み上げろ」と言われることがあります。

この本は、そのプロセスが非常にわかりやすい本となっています。

小さな成功体験を積み上げる意味は、それがそのまま

”人生の勝算”に自信をもつことになります。

 

前田社長の場合、幼少期に両親がいない境遇から、

ストリートで歌を歌い、試行錯誤を繰り返しながら少しづつお金を集めることに”成功”しています。

私も多くの経営者の方々にお会いすることが多いですが、

幼少期の体験が現在の仕事に生かされているケースは非常に多いと感じます。

私の場合、ただただ部活動に打ち込み、

センスのみでろくな練習をせず、”ある程度”のところまで出来てしまった過去によって、

”ある程度”の今になっていると感じます。

今からでも、一つずつ積み増さね、”ある程度”から抜け出す日々と戦っている最中です。

 

とは言っても、これまで行なってきたコトに悲観する事なく、

小さなガッツポーズ、拳を天高く突き上げる意識も同時に必要になります。

結果は当然、他人の評価によって決まる面も多いですが、

自分自身の小さな成功体験に気付き、その都度自分に”勝算”をもつことが大切です。

結果の大きい小さいに関わらず、他人の評価とともに自分の評価にも目を向けることが重要だと気付かされました。

 

俯瞰力の身につけ方がわかる本

人生においても、仕事においても俯瞰力は必須です。

俯瞰力とは、自分自身を客観的にみつめ、第三者的視点で自身を観察することです。

言葉で説明するのは簡単ですが、「一体どうやれば?」と感じることでしょう。

ある意味で、全国民が俯瞰力をもつことで”予防医療”は加速的に普及するのだと思います。

また、世界平和に近くのだと思います。

 

この本で紹介されているビジネスの説明において、前田社長の俯瞰力がわかる内容が随所に出てきます。

これも幼少期のストリートミュージシャン時代の話の中で、

ある一人の女性と出会います。

その中で、歌ではなくストーリーを売るというニュアンスの話が出てきます。

詳しくは本編をご覧いただきたいのですが、その中でどのような思考から、そこに行き着いたのかが描かれています。

具体的な思考の内容は、本編を確認してもらうとして、

思考の動きに着目してみたいと思います。

 

この動きは、「コト」や「モノ」を考えるとき、

ある一つの面から物事をとらえるのではなく、立体的な視点をもって思考するという点です。

立体的な思考とは、ある意味で肯定的な意見の裏側には、否定的な意見があり、

視点を変えれば、否定的な意見が肯定的になり、肯定的な意見が、否定的な意見となる、

という事を思考する事です。

 

簡単に言えば、真逆の意見を同時に考えるという事です。

会話をする中で、自分と相手がいたとして、自分のことをだけを考える主観と相手のことを考える客観、

どちらも重要な要素で、必要なことですから、

同時に考える必要があります。

それを繰り返し考えるためには、俯瞰しなくては考えることができません。

ある意味では、幽体離脱のように、自分と相手の間に立って思考すること、

それ自体が俯瞰力を鍛える方法であるということです。

 

時に、争いは必要ですが、無意味な争いを避けるためには、この俯瞰力が必須となり、

個々人が広い想像力を持って他者と関わることが重要です。

私は、この本を読んで、そんなことを考えていました。

 

▷▶︎絶対に勝てない誰かに出会う必要がわかる本

 

今回のテーマ本

人生の勝算 (NewsPicks Book)
Posted with Amakuri at 2018.5.17
前田裕二
幻冬舎
第一回:編集長今井俊太の読書感想文ー人生の勝算の賞賛ー

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