機能的腰痛に対する評価とアプローチ #1|成田 崇矢先生

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成田 崇矢先生 それでは疼痛除去テストについて説明をしたいと思います。
今まで整形外科的領域では疼痛誘発テストが行われてきたと思います。疼痛誘発テストはある部位にストレスを加えて痛みを誘発させてその部分に問題があると判断する方法です 。


私は疼痛除去テストを勧めています。というのも、腰痛患者さん一度疼痛誘発させたらなかなか痛みが取れなくて困ったっていう経験があって、反対の発想ですね。その 部分にストレスを減らしてそのことによって痛みが減ったからそこの部分に問題があると判断しようということを考えました。


そこで使えるのが徒手療法です。徒手療法は即時的に痛みを軽減させる効果を持ってます。それを応用して評価に使おうってことで今、疼痛除去テストを世の中に伝えています。 疼痛除去テストなんですけど、もちろんまず最初に整形外科医の評価があります。

 

それから疼痛除去テストだけじゃなくて他の評価も行います。それに加えて疼痛除去テストを行 うことによって、より障害部位を同定していこうという方法です。 まずは先ほどやった自動運動で動作時痛の部位もしくは再現を確認します。そのあとに推 定障害部位へ徒手的介入を行います。

 

例えば椎間関節とか椎間板に問題があると思えば椎 間制動操作を行いますし、仙腸関節に問題があると思えば仙腸関節へ行います。筋・筋膜 に問題があると思えば筋・筋膜へアプローチをしますし、神経系の問題があれば椎間孔拡 大操作や末梢神経の滑走操作等を行います。

 

これらの操作を行って先ほどやった自動運動の痛みが軽減すればそこの部位に問題がある と判断をします。これの良いところはそこに問題がなければ実際例えば椎間制動操作を行っても痛みの変化が起こらないということです。痛みの変化が起こればあそこに問題があるって判断しますし、痛みが変わらなければそこじゃなくて他の部位に問題があると判断 ができます。そのように痛みが減ってくことによってどの部位に問題があるか考えようっていうのがこの方法です。 具体的にどんな方法でやってくかっていうのを説明してきたいと思います。

 

徒手療法はマリガンコンセプトを応用します。マリガンコンセプトっていうのは関節面の 滑り運動や並進運動の獲得に重点を置いているテクニックのひとつです。 力を関節面に加えて回旋運動もしくは回転運動を避けて関節面に沿って並進運動を適応させて関節面への圧縮を避けることができるテクニックです。

 

これを使うことによって椎間 関節や椎間板へのストレスを減らしていきます。具体的にやってきますが、まず、このよ うに棘突起を手根部で挙上します。そのことによって、例えばこの図では4番と5番の椎間 関節へのストレスを減らしています。で、減らしたところで先ほど痛みが出た例えば屈曲 とか伸展を行うことによって痛みが軽減すれば椎間関節、もしくは椎間板の問題だと判断 をします。

 

順番ですけど、やり方の順番ですが、まず前屈して棘突起を広げて、小指球部を棘突 起に当てて関節面をイメージして垂直に挙げます。この時の肘の位置が非常に重要です。この肘の位置が力を加えている方向になるので、このように示すように肘を下の方に向けて行ってください。それから、患者さんに実際動いてもらうんですけどその時に全ての動きに対して常に力をキープします。

 

患者さんの動きに応じて自分も一緒に動きます。 痛みが出るってことは大抵間違っている、分節が間違っているかそこに問題がないもしく はやり方が間違っていることなので、痛みがあるってことはやり直してください。痛みが ない範囲で行うっていうのは大前提です。6回ぐらい行って痛みが出るかどうかをもう一回再評価を行います。もしそれで痛みがなくなったらどんどんどんどん次に強い 痛みが出てる場所に変えていきます。痛みがなくなるっていうことは効果があるっていうことですのでつまりそこの部分に病態があるっていうことに判断をします。力の加え方は棘突起からやって片側にあげたり高さを変えたりします。これも実際実 技をやりながら説明をしたいと思います。

 

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機能的腰痛に対する評価とアプローチ #1|成田 崇矢先生

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