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筋肉が嗅覚ニューロンに影響を与え体の温度耐性を調節する?

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甲南大学理工学部の久原篤教授、宇治澤知代元研究員、太田茜研究員らの研究チームは、ヒトにおいて詳細な役割が未知であるENDOUと呼ばれるRNA分解酵素が、寿命や温度耐性、産卵数や神経シナプスの刈り込みなど、多様な生命現象に関与していることを線虫の解析から明らかにした。

▶︎ 筋肉が嗅覚ニューロンに影響を与え体の温度耐性を調節―RNA分解酵素がアポトーシス分子を介してシナプスを刈り込む―

 

特に、温度耐性において、ヒトのENDOUに相当する線虫のENDU-2が筋肉で働くことで、頭部の1対の嗅覚ニューロンの活動を変化させ、体全体の温度耐性を変化させることがわかった。さらに、ADL嗅覚ニューロンが温度に応答すること、ADL嗅覚ニューロンの中でもENDU-2が神経活動を調節すること発見した。

 

生命の温度に対する適応は、生存していくために非常に重要な生体メカニズムである。そのため、温度適応メカニズムの解明は、温度が関わる疾患の原因解明だけでなく、温暖化や局所的な寒冷化による生物の存続など多くの分野で望まれている。

 

研究チームは、シンプルな実験動物である線虫C.エレガンスの低温耐性を解析してきました。本研究から、筋肉がENDU-2を介して頭部の嗅覚ニューロンに働きかけ、温度耐性を調節すること、さらに、ENDU-2 は神経細胞内でも、プログラム細胞死(アポトーシス)を誘導する遺伝子の発現を調節し、シナプスの数を適切に刈り込んでいました。これらの現象が組み合わさり、温度耐性が調節されていた。

 

これまでにヒトと線虫で共通する生体調節メカニズムが多数発見されているため、線虫のENDU-2 が関わる生体現象や温度耐性の仕組みは、ヒトの温度耐性の仕組みや、温度が関わる疾病の原因解明などにも役立つ可能性があると期待される。

 

本研究の成果は、米国科学アカデミー紀要「Proceedings of the National Academy of Sciences of  USA(PNAS)」のオンライン速報版で公開されている。

筋肉が嗅覚ニューロンに影響を与え体の温度耐性を調節する?

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