歯周病の予防がCOPDの発症を抑制する|九州大学

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 九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野の歯学研究院口腔予防医学分野の竹内研時助教と山下喜久教授らは、医学研究院呼吸器内科学分野の松元幸一郎准教授らとの共同研究により、歯周病の進行が呼吸機能の急速低下に関わることを明らかにした。

これより、歯周病の進行を予防することは将来的なCOPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:慢性閉塞性肺疾患)の発症を抑制する可能性が示された。

▶︎ 肺の健康を守るには口の健康から〜歯周病の進行が呼吸機能検査による一秒量の急速低下に関与


従来、COPDはたばこの煙を主とする有害物質を長期吸入し、成人期以降に呼吸機能の経年低下速度が急速化することで発症すると考えられている。今回、喫煙以外の要因を検討するため、近年口の中だけでなく全身の健康を脅かす病気として知られる歯周病に着目し、福岡県久山町の40歳以上成人1,650名の追跡調査データを分析し、呼吸機能検査による一秒量の急速低下との関連を検討した。

 

その結果、喫煙などの影響を加味した上でも、歯周病の進行が最も軽度な集団に比べ、最も重度な集団は3年以内に一秒量の急速低下が起きる割合が1.4倍高く、歯周病が進行している人ほど呼吸機能の経年低下速度が急速化しやすいことが分かった。


 本研究成果は、2018年9月6日付けで国際科学誌「Scientific Reports」に掲載されている。

 

歯周病の予防がCOPDの発症を抑制する|九州大学

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