高橋塁先生〜横浜DeNAベイスターズ専属理学療法士(PT)〜第三回

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プロ野球専属理学療法士になる方法

一般的な病院とかに就職する時のように、プロの世界では公募されることはほとんどなく、すごくクローズな状態で行われています。それこそうちも、ここのところ6、7年毎年トレーナーが自主退団しています。そうなると結局どういう人を募集するかというと、球団トレーナーの知り合いを通じて「年齢、ある程度のスキルでトレーニング、ケアの両方診られる人」というような人材がほしいとの要望が球団から来るので、紹介できる人材が周りにいれば、そこで始まるという形です。つまりほとんどが紹介なので、なりたいと思った人は自分で行動して、人脈を作っておくことが重要だと思います。

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賃金について

私の同世代と比較すると、額面だけはいいと思います。ただ、選手同様に1年契約で、個人事業主です。福利厚生はなく、国民年金ですし、退団し場合も、失業保険が入るわけでもないというとこなんですよ。額面が良かったとしても結局、こまごました話ですが、国民年金だと今でしたら65歳からですと、6万円ちょっとしかもらえません。たぶん一般の企業にずっと勤めてれば、一般的な厚生年金が10数万だったり、20万とかってもらえたりします。そういうところがあるので、私は余分に預貯金をしています。健康保険も国民健康保険なので、たぶん一般の企業に勤めている方たちより給与比率から言うと支払い分は高いです。だから、税理士さんを雇って、確定申告します。社員として勤務している理学療法士、トレーナーはまずプロ野球12球団探してもいないと思います。

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年間スケジュール

一年間だとこの12月、1月は、チーム内のリハビリが必要なけが人を年末まで見て、また年始から見るという形になります。けが人も多くいるわけではないので、チーム内の全11人のトレーナーから当番制で出勤します。わりかしこの12月、1月は当番制なので、毎日出なくていいので比較的時間もありますが、2月から始まるとシーズン終了が10月なので、移動日も合わせれば休んでいるようで休んでいない状態です。10月にシーズンが終わるとまた秋のキャンプが始まって、奄美大島で11月末まで練習します。

基本、月曜日は試合はありませんが、1軍であれば移動であったり、2軍も移動はあったりしますし、ケガ人を病院へ連れて行ったりします。週1回チームが試合していない時でも、何かしら我々は現場に出て、交代で休んでいます。

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高橋塁先生経歴

【経歴】
2004年 香川大学大学院経済学専攻科 修士課程卒業
2007年 穴吹リハビリテーションカレッジ理学療法科卒業
2007年 香川オリーブガイナーズ トレーナー
2010年 横浜DeNAベイスターズ アスレチックトレーナー
2014年 徳島大学大学院医学研究科(運動機能外科学分野)入学

【専門分野】
スポーツ医学

【資格】
理学療法士
NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
JATI認定トレーニング指導者
アメリカ心臓協会(AHA)BLSヘルスケアプロバイダー

【バックナンバー】
第一回:これまでの歩み
第二回;夢をあきらめない
高橋塁先生〜横浜DeNAベイスターズ専属理学療法士(PT)〜第三回

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