第四回:世界の中心で理学療法と叫ぶ【半田一登先生】

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前回の続き。

1日110万人に理学療法と伝える

ー 医療保険よりも介護保険の方が提案しやすいのではと思うのですが。

半田会長:昨日もそういった話し合いをしてきたのですが、急性期・回復期ではリハビリテーションを受けられる期限が決められています。生活期、となると終わりがないわけです。昨日提案したのは、生活期の中でもいくつか分けるべきだということを話してきました。

 

生活期の中には、終末期もあれば維持期もあります。地域医療計画で、ベッド数を20万床減らされると、在宅医療の対象とされる方の中に、より急性期に近い人たちが増えるわけです。となれば、濃厚に理学療法士が関わらなければいけない時間が増えてくる

 

もっといいますと、言葉の使い方として、最近ターミナルのリハビリテーションと呼ぶことがありますが、リハビリテーションというのは「Re:再び」という言葉から、ターミナルで使う言葉ではないのです。

 

ですが、ターミナルの“理学療法”はあります。最後死ぬ間際まで、気持ちよく過ごしていただくために理学療法が必要になります。

 

このように、リハビリテーションと理学療法という言葉を混同して使っていることが非常に多いわけです。自分たちがしっかりと、言葉の使い分けを行えば、もっと理学療法士の名前は広まるはずです。

 

我々理学療法士が、「リハビリやりましょう」ではダメなのです。自分たちの職業意識を出さないといけません。11万人の会員が、1日担当する10人の患者さんに“理学療法”という言葉を使えば、1日110万人の方に“理学療法”という言葉を伝えることができます

 

せっかく法律で、理学療法という名称が定義されているのだから、それを使わない手はないわけです。

 

理学療法士よ胸を張れ

半田会長:診療報酬の中でリハビリテーション料の中に、なんて書かれているのか、もう一度見てください。

 

<通則> 1 リハビリテーション医療は、基本的動作能力の回復等を目的とする理学療法や、応用的動作能力、社会的適応能力の回復等を目的とした作業療法、言語聴覚能力の回復等を目的とした言語聴覚療法等の治療法より構成され、いずれも実用的な日常生活における諸活動の実現を目的として行われるものである。

引用:https://www.mhlw.go.jp/topics/2008/03/dl/tp0305-1d_0014.pdf

 

つまり、リハビリテーションというのは、理学・作業・言語の治療法で構成されたものになるわけですから、その中で我々は理学療法という治療法を提供しているわけです。「リハビリやりましょう」なんて、できるわけがありません。

 

理学療法以外にも作業療法、言語聴覚療法も含まれますから、我々にはできません。言葉を適切に使って、自己アピールすることの重要性を理解していただきたいと思います。

 

世の中では、どうPRするのか、というのは大事なことです。11万人の会員が、その重要性を理解して、「私は理学療法士です」と胸をはって説明してほしいのです。

 

特に若い方には、適切に言葉を使ってアピールしてもらいたいですね。協会の広報だけでは限界があるのです。是非みなさんで「リハビリ」ではなく「理学療法」という言葉をアピールしてほしいと思っています。

 

先ほども言ったように、一人の理学療法士が「理学療法」という言葉を使えば、1日に110万人以上に届くわけです。そういうことを着実に積み上げて、国民の中に浸透していくことが一番効果的だと思います。

 

次回:半田会長に開業権のことについて、突撃取材を敢行しました。

 

続くー。

 

【目次】

第一回:PT養成校に入学するに至った不純な動機

第二回:聖域なき構造改革

第三回:理学療法士になって良かったとつくづく思う

第四回:世界の中心で理学療法と叫ぶ

第五回:開業権の話をしよう

第六回:PTが介護士になれば介護士不足は解消する?

第七回:競争社会を作る

第八回:理学療法士ライセンスの希少性

第九回:会員を守るために“戦える集団”をつくる

最終回:リハビリテーションの概念改革

 

半田一登会長のプロフィール

1971年、九州リハビリテーション大学校卒業 後、労働福祉事業団(現・独立行政法人労働者健康福祉機構)九州労災病院に入職。

1987年、社団法人日本理学療法士協会理事に就任し、2007 年より同協会会長を務める。  

日本健康会議 実行委員、チーム医療推進協議会 代表、一般財団法人訪問リハビリテーション振興財団 理事長 等 

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第四回:世界の中心で理学療法と叫ぶ【半田一登先生】