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「エスカレーター歩行問題」をビジュアル・デザインで解決する

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現在、東京都理学療法士協会に「エスカレーターマナーアップ推進委員会」が設置されていることはご存知だろうか?

 

エスカレーターを利用する際、歩行して利用している人のために片側を空けて乗る風習は、身体に不自由のある方にとっては「捉まりたいのに掴めない」という障害となる。2020年には東京オリ・パラリンピックが開催され、世界が日本の医療・福祉に注目する中、委員会では、片側空けをなしとするソーシャルアクションを起こす活動を行なっている。

 

その「エスカレーター歩行問題」に、文京学院大学 経営学部の三年生5名が立ち向かった。

 

左から森川風舞さん、橋本知佳さん、三枝大輝さん、太利咲彩さん、伊藤将太さん

 

学生らは、「マーケティングで社会課題を解決する」というゼミ活動の中で、自然と立ち止まりたくなるビジュアル・デザインを目指し、様々な調査を実施。エスカレーターの歩行率を調べた際、歩行割合は高く、歩行する理由としては「急いでいるから」「待つことが面倒」など個人的な理由が多いことが分かった。

 

ビジュアル・デザインに関しては、マーケティング専攻の学生と協力し、心理学の作用や現代の流行など有効的な要素を検討。デザインが完成する度にSNSによる意見収集を繰り返し、一般の声を生かして意図が伝わっているかを何度も検証した。

 

実際にデザインされたエスカレーターは12月1日 ~ 12月31日の期間、JR目黒駅に直結する商業施設「アトレ目黒」で導入されている。

 

 

研究班の1人橋本さんは、取材に対し、

 

「先輩方の先行研究である、"思わずつかまりたくなるデザイン"を引き継ぎ、研究を行いました。先輩方は、オノマトベの効果を用いて考案した結果、手すり利用者は7.5%増、歩行者が10%減るという検証結果を得ました。」

 

「歩行による事故が最も多い駅で、様々な年齢層の人が利用し、多くのニーズが存在することから、大胆な策を実施しづらく、啓発の精度を高めていくことが重要であると考えました。"不自由を感じている人のために、根付いた習慣を変え、どちらにでも立ち止まれる社会をめざす"が、私達の目的です。」と答えた。

 

「エスカレーター歩行問題」をビジュアル・デザインで解決する

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