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【書評】みんなよくなれ 鳥獣りは

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世界最古のマンガ

 獣戯画といえば、平安時代から鎌倉時代の間に、多数の作者によって描かれた世界最古のマンガと称される。西洋の絵画とは違い、俯瞰した視点での表現が日本絵画の特徴ともいえるが、まさに本書は脳卒中体験者の俯瞰した視点で描かれている。

 

今回は、建築士である村越正明さんが、自身の脳卒中体験を鳥獣戯画を通して描いたリハの世界「鳥獣りは」をご紹介します。

 

みんなよくなれ 鳥獣りは
みんなよくなれ 鳥獣りは
村越 正明
三輪書店 (2019-10-05)
売り上げランキング: 306,204

 

俯瞰して見えたリハビリの世界

 普段、我々療法士はリハ室にいる。その景色をどう表現するのか、それは各個人によって様々であることは間違いないだろう。“患者目線で考える”とはよく言うが、本当の意味で患者目線になることは、自分が患者にならなければわからないわけだ。

 

ただ、本書を手に取り読み進めると、普段我々が行うリハが別の形としてみてとることができる。その一つが、ここで表現される言葉に現れている。また、その一つ一つの場面を通して感じることは、評価・リハしている、療法士や看護師の姿、表情を我々が思う以上によく観察されている点だろう。

 

我々療法士は、患者さんを評価していると同時に、患者さんに評価されているのだ、と言う認識が俯瞰した視点から理解することができた。

 

当事者である、村越さんのリハビリから始まった本書は、我々療法士に俯瞰した視点を与えてくれる、ある意味では我々のリハビリ書ではないだろうか。

【書評】みんなよくなれ 鳥獣りは

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