CPAP療法の遠隔モニタリングと従来の診療方法の効果を検証

4499 posts

11月18日、京都大学の陳和夫 医学研究科特定教授、松瀬公彦 同特定助教らの研究グループが、CPAP(持続気道陽圧)療法中のOSA(閉塞性睡眠時無呼吸)患者に対して、遠隔モニタリングの有用性を実証した。

 

睡眠時無呼吸に対するCPAP療法の遠隔モニタリングの有用性を実証-遠隔医療の新たな臨床エビデンスを確立-

 

現在のCPAP療法は適切な使用時間と使用日数(治療アドヒアランス)の維持が必要であり、受診時に患者は使用履歴を記録する小型媒体を持ち込み、医師がデータを確認しているが、診察の頻度が毎月の場合が多く、患者および医療機関双方の時間的な制約が問題となっていた。

 

そこで、研究グループは診察回数を減らし、遠隔モニタリングシステムを併用して診療することが、従来の診療方法と比較して、効果が劣らないことを検証する臨床試験を実施。

 

研究対象は、CPAP療法を開始して3か月以上経過しており、毎月あるいは隔月で受診を継続している508人を対象となった。

 

研究方法は、診察期間を3か月延長し遠隔モニタリングでCPAPの使用履歴を毎月確認する遠隔モニタリング群、診察期間を3か月延長するだけの群、診察期間を毎月とする群の3群に分け、治療アドヒアランスを半年間経過にて比較した。

 

その結果、遠隔モニタリング群と診察期間を毎月とする群では、治療アドヒアランスを維持することにおいて、変わらないことが実証された。

 

研究グループは、今回の研究の波及効果として、状態が安定している患者を少ない時間的・経済的資源で、病状を悪化させることなく管理するため、そして、患者の利便性と医師の働き方改革の面でもCPAP療法の遠隔医療モニタリンスシステムの普及が望まれるとのこと。

CPAP療法の遠隔モニタリングと従来の診療方法の効果を検証

最近読まれている記事

企業おすすめ特集

編集部オススメ記事