「確かに」と納得する書籍
スポーツリハといえば、学生時代の花形ですが、徐々にその数は減り、実際にスポーツリハを担当する療法士は1割にも満たないかもしれません。それはなぜか?と、個人的に考えてきた結論はありましたが、本書を手に取ることでまた新しい結論を見つけることができました。
本書の冒頭で、「スポーツの語源って知ってますか?」というような問いがあります。実際の内容に関しては、本書を手にとっていただくとして、スポーツに関して語源から考えたことはありませんでした。おそらく、多くの皆さんもそうでしょう。
ただ本書に書かれている語源から、スポーツリハのあり方を考えていくと、語源に通ずることが多々あることに気がつきました。本書でも取り上げられていた合言葉ですが、「アスリートファースト」という言葉がそれを物語っていることと思います。
言葉では当たり前のように感じますが、我々のような専門家が集まる集団になると一転、療法士ファーストになる現場を目にすることがあります。それもやはり、冒頭の「語源を知る」という点につきるのだと思います。
スポーツリハの幅は広い
スポーツリハと聞くと多くは、部活動に始まり、実業団、プロと華やかな世界ばかりに目がいきます。実際に、この手の参考書では、そのような花形種目の内容を取り上げることがほとんどでしょう。
しかし本書は、具体的なスポーツ障害に加え、高齢者スポーツリハや障害者スポーツリハ、強いては障害者の中でも、その障害ごと(視覚、聴覚、精神など)のスポーツリハを取り上げている唯一の書籍ではないかと思います。
このような書籍を拝見すると、これまでのスポーツリハに対する認識は大きく変わることと思います。また、日頃病院で行う業務においても、本書に書かれている、スポーツリハの考え方は確実に生かされることと思います。
つまり、スポーツリハは、今皆さんが担当する患者さんの全てに共通する部分であり、“ある意味ではADLの中に含まれるべき活動”なのかもしれません。
余談ではありますが、このように包括的な参考書の多くは基本的に、具体的なリハに関する話が少なかったり、さらっとしか書かれていなかったりしますが、実際の症例の話など、内容は濃厚です。
すごくどうでもいい話
以前、この極めに究めるシリーズとして、紹介してきました。脳レッドに始まり、運動ブルー、内部パープル、神経グリーンと各シリーズごとに特徴としたカラーリングがされてきました。
私自身、この流れで来たら戦隊モノしか思い浮かびませんから、当然そのように書いたわけです。そして、待望のスポーツシリーズが発売。レッド、ブルー、パープル、グリーンと来てますから、大抵はイエロー、斜め上行ってブラック、と予想していました。
しかし、開けてビックリ。スポーツにおいてもオレンジだったのです。あれ?オレンジなんてないでしょ?とお思いだと思いますが、脳レッドは手にとってもらえればわかりますが、“濃いめの”オレンジなのです。
つまり、今回のスポーツ編を戦隊モノに加えるとすると…。
脳濃いめオレンジ、運動ブルー、内部パープル、神経グリーン、スポーツ薄めオレンジ、という戦隊ヒーローになります。
こちらからは以上です。