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回復期と生活期の「嚥下リハ」の考え方の違い

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私は8年間回復期病院で言語聴覚士(ST)として働いてきました。その中で在宅リハビリの必要性について考える出来事があったので紹介したいと思います。

 

リハビリをして無事に自宅退院しても、数年以内に再び入院してくる患者様がいらっしゃいます。例えば、嚥下障害を呈していた患者様がむせずに食事ができるようになり退院していっても、数ヶ月すると誤嚥性肺炎で再び入院してくることが度々ありました。なぜ再び誤嚥性肺炎を引き起こすのか患者様の様子やご家族のお話しから以下の3つの原因があると思うようになりました。

 

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1.食品の形態が適切か

病院では、STが嚥下機能を評価し誤嚥しないように適切な食形態を提供するため、安全に食べられることが多いです。しかし、家に帰ると自分の食べたいものを食べてしまうため、誤嚥しやすいものを食べてしまうこともあります。入院されているときでも、ご家族からの差し入れで誤嚥しやすい食べ物を持ってこられることがありました。

 

2.食事環境は適切か

食品の形態だけでなく、食事するときの姿勢の崩れや食事スピードが速いと誤嚥のリスクが高くなります。入院中は毎食、看護師やSTが食事の様子を見ることができるため、姿勢や食べ方が不適切である場合は修正や声掛けが可能です。

 

しかし、在宅になるとそのように修正してもらえる人がご家族しかおらず、危険な食べ方を続けてしまい誤嚥を引き起こしてしまう可能性が大きくなってしまいます。

 

3.栄養低下、筋力低下

入院中はほぼ毎日リハビリがあり、身体を動かす時間が確保されているため、筋力低下が起こりづらく、管理栄養士による栄養管理もあり低栄養のリスクも少ないです。

 

しかし、自宅に戻ると運動する機会が少なくなり、バランスのよい食事を摂る事が難しい方がいらっしゃいます。それにより、サルコペニアと呼ばれる筋力低下が起こり、嚥下機能の低下を引き起こしてしまいます。

 

これら3つの原因を解決するためには、入院時の対応だけでは難しいところがあり、在宅での指導やリハビリが必要です。そのため、在宅場面において嚥下障害に詳しいSTの存在が不可欠だと考えています。


 

回復期病院では、機能を回復させるリハビリが主で、退院が近づいてくると食事に関する注意事項を本人・家族に説明する機会がありますが、十分に伝わっていないことが多く、実際に自宅に戻ってから指導していく必要があります。

 

例えば、実際に自宅で食べているものをどのようにすればむせずに食べるようにできるのかアドバイスすることは、実際に家に戻ってからではないと難しいところがあります。

 

本人家族以外にも、地域で関わる多職種との連携も必要で嚥下障害の正しい知識を伝えていき、STの以外の職種でも食事に対して適切にアドバイスできる環境作りが必要だと思います。

 

「人としての生きがい」を再発見できるようお手伝いするというLuxemの理念にあるように楽しく食事ができることは人のいきがいに直接関与するものだと思います。地域のお役に立てるように頑張りたいと思います。

 

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回復期と生活期の「嚥下リハ」の考え方の違い

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