週の真ん中水曜日の江原です。理学療法士は慢性疼痛をはじめとする痛み治療のマネジメントに重要な役割を果たしています。問診や身体機能評価を行い、痛みに関連する身体機能障害を発見し治療に貢献することが中心になります。その他にも個人的因子や病態によりその他のアプローチ法も痛み治療に必要な場合があります。本日は腰痛を例に、理学療法士が痛みのマネジメントのどのように関わっているのか、運動療法・トリアージ・復職について書いていきたいと思います。
痛みの発症から手術まで関わる
理学療法士だったら、運動器理学療法の視点で痛みを見ることが多いでしょう。医師が診察を行い適応がある患者に理学療法を行い、痛みに身体機能がどのように関わっているのかアセスメントする流れです。
実は理学療法士が痛みに対して個別的なセラピーを行うのは、治療の第1選択ではありません。図1は関節痛における痛み治療の基本的な考え方になりますが、腰痛などの慢性疼痛にも当てはまるものです。
最初から行われて治療のベースになるのが、痛みの教育、運動、体重管理です。このベースとなる治療は慢性的な痛みがあるすべての患者さんに行うべきで、ずっと継続する意義があると言われています。
慢性疼痛では痛みの認知情動面の関与が少ない腰痛の場合においては、このコンセプトに従うことで大半の腰痛に改善効果を得ることができます。
医師からリハビリの処方が出る時は(初診であまり細かく診察されないこともあるかもですが)、教育・運動・体重管理を実行したにもかかわらず改善しなかった場合に行うのが適切な処方であると言えます。