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PTなら知っておくべき歩行のための靴選び〜足を知る重要性について〜:

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みなさん、過去の記事で、歩行能力を底上げする靴のポイントとして、ヒールカウンターや中敷きの使い方、靴の履き方について紹介していきました。この知識やスキルを実践してみていかがだったでしょうか?

歩行が改善されるケースが増えたのではないかと思います!

今回は靴と足をさらにマッチさせる知識として、自分の足を知る重要性を紹介していきます。

まだ見ていない方は下記リンクから各記事をぜひ見てください!

https://1post.jp/companies/430/prs

足を知ることが正しい靴選びの第一歩:

リハラボBayWalkingの理学療法士は、リハビリテーション業務のなかで「インソール(アーチサポート)作成」も行っています。

いきなりインソールを作成するのではなく、靴の選定や履き方の指導などを行い、その上で靴の中の環境調整のひとつとして、インソールの作成を行っています。

これは靴と足部が合っている状態で初めて、インソールは効果を最大にすることができる、という考えが基本にあります。

私たちはこれらを「バランスケア対応」と呼んでいます。

しかし靴の選定には、いくつかのポイントがあります。ここで間違った靴選びをしていしまうと、皮膚トラブルや足部の変形、痛みにつながってしまいます。

では、インソールを作成する前に、どのように靴を選べば良いのでしょうか?

今回は正しい靴選びの基本である、足を知るための、3つのポイントをお伝えします!

本編をお読みいただく前に、足に合いやすい靴としてニューバランスの靴を普段からおすすめすることがあります。解説した動画を下記よりご覧いただくと本編の内容がわかりやすくなると思います。

足を知るポイント:

①足のサイズ

多くの方が靴を選ぶ際に、○○cmという足長(いわゆるサイズ)の表記を見て購入する人がほとんどだと思います。

しかし、本当にそのサイズの靴が合っていますか?

私たちの臨床経験上、子どもから大人まで実際の足長より大きい靴、オーバーサイズの靴を履いている、選択している場合が90%以上を占めています。

そこで簡易的に靴が自分の足のサイズに合っているかを知る方法があります。

下図のように靴の中敷きを外し、踵を中敷きの踵側に合わせ、ご自身の指で先端のあまりの長さを見ます。ご自身の指の太さを測っておくとより正確です。

その長さは大人が1〜1.5㎝程度、子どもは0.7〜1.2cm程度が適正なサイズです。それ以上であればオーバーサイズとします。

理想は、フットゲージや量販店のフットメジャーを使うことで、より正確な足長を知ることができます。

※量販店で試着の際に中敷きを外す場合は、店員さんに聞いてから行うことをおすすめします。

②足の幅(ウィズ)

量販店でよく3Eや4Eと表記のある靴を見かけたことはありませんか?

実は靴には幅(ウィズ)のバリエーションもあり、メーカーや靴の種類によっても違いがあります。

この幅のサイズは日本産業規格(JIS規格)で決まっており、大人はA〜G(女性の場合はA~F)、子どもはB〜Gまであります。そのため同じサイズのものでも、幅が違えば大きく感じる靴や、逆に窮屈に感じる靴もあります。

よく日本人は幅広・甲高のイメージを持つ方も多いですが、意外にも日本人はその逆です。幅狭・甲低の傾向の方が多いです。

そのため実際には足の幅が狭い(細い)のに、幅が広い靴を選択してしまうと、靴の中で足が動いてしまい、足部の痛みや変形につながってしまいます。

足の特徴を把握するにはメジャーとフットゲージを用いて計測することができます。

フットゲージは主に足長と幅を計測するためのものですが、ない場合はメジャーで太さのみを計測しても足の特徴を知ることができます。方法は母趾と小趾のMTP関節を通る経路にメジャーを当て、周径(太さ)を計測します。

最近では、3Dスキャンなど機械で計測もできますが、ほとんどが立位での「荷重位」のみを計測をしていると思います。

荷重位のみの計測でも間違いではありませんが、座位で足を浮かせた荷重がかかっていない「非荷重位」も計測すると正確な足の特徴を把握できます。

歩行中は足部が地面に接地している立脚期と浮いている遊脚期が交互に繰り返されます。立脚期と遊脚期では足部の形状が変化するため、歩行時の変化に少しでも近い「荷重位」と「非荷重位」を計測します。

荷重位と非荷重位で測定したデータは、前述したJIS規格に当てはめてサイズ分けしていきます。

サイズ分けをすることで荷重位と非荷重位の太さと幅の変化から、足が「軟らかい」「普通」「硬い」「細い」「太い」などの傾向性を判別できます。

「硬い」傾向性の足は、荷重位と非荷重位の足の幅の差が小さいことが特徴です。

この傾向が強くなるほど、本来接地期で足は軟らかくならなければなりませんが、軟らかい足になれない=アーチ機能であるトラス機構(衝撃吸収)が機能しにくい状態になります。

また足底にも負担がかかるため、足底腱膜炎や当該部位の疼痛に繋がる要因にもなります。

このような足の場合は、非荷重位寄りで靴を合わせてしまうと、衝撃吸収の際に、足が軟らかくなれない状況を作り出してしまうため、荷重位寄りのサイズに合わせることでトラブルを防げます。靴選びの際に、荷重しても足が広がらないようにするため荷重位でのサイズを優先にして選んでいきます。

「軟らかい」傾向性の足は、足の幅が非荷重位と荷重位で差が大きいことが特徴です。

この傾向が強くなるほど、足の内在筋の力がうまく発揮されず、トラス機構が機能しにくくなり、足のアーチ全体が潰れてしまい、足全体が不安定な状態になります。

開張足や扁平足はこのような傾向が強い状態と考えてください。

そのため各MP関節部(中足骨頭)に胼胝が形成されたり、足部にとどまらず足関節や膝関節、腰部等の他関節にも影響が及んでしまいます。このような足の場合は、非荷重位寄りのサイズに合わせることで、各アーチが潰れるのを抑えるアーチサポートの役割を保つことに繋がります。

「細い」傾向性の足に関しては、まず量販店で売られている靴がそもそも「細い」タイプが少ないのが現状です。そのため、靴のフィッティングがしにくいという特徴があります。

メーカーやデザイン性にもよりますが、適正サイズの靴よりも1サイズ下げたり、過去の記事でも紹介しておりますが、中敷きを余分に足したりする等の工夫が必要な場合が多いです。

③足先の形状と

サイズと幅以外にも重要なことがあります。

それは「足先の形状」です。

これを知ることで、靴選びの幅が広がります!

靴には大きく分けて3つのトゥボックス(足先)形状があります。

そのため、足先の形状とトゥボックスが合っていないと足趾の変形や痛みなどにつながってしまう可能性が高まります。

では足の形状は母趾、示趾、中趾に着目してみて下さい。どの趾が長いかで3つに分類できます。

①母趾が1番長いタイプ:「エジプト型」(60%)

②示趾が1番長いタイプ:「ギリシャ型」(30%)

③3趾が同じ長さのタイプ:「スクエア型」(10%)

*()内は日本人における割合

まずは自分の足を自分の目で見て下さい。3つのどのタイプに当てはまるでしょうか? 

では次に、それぞれの足の形状のタイプがわかったところで、靴のトウボックスの形状は3つあり、それぞれどの足先の形状と合うか下記に記してあります。

 ①エジプト型には「オブリーク型」

 ②ギリシャ型には「ラウンド型」

 ③スクエア型には「スクエア型」

例えば足の爪先が「ギリシャ型」で、靴の爪先の形状を「オブリーク型」にするとどうなるでしょうか?

靴の中で示趾が靴の先端に当たりやすくなり、示趾に巻き爪や皮膚の肥厚が生じる原因になります。また足趾がうまく使えない環境になるため、靴の履き方の記事で述べたように足の内在筋を効率よく働かせる環境ではなくなってしまいます。

前項でも述べていますが、ただ単に靴の機能や形状だけを診て「良い靴」、「悪い靴」という判断はしません。足の形状と靴の形状が合っているかを判断し、患者様や利用者様、クライアントにとって「良い靴」、「悪い靴」としています!

サイズ・幅・形状に応じた靴選び:

どうでしたか?自分のサイズや幅、前足部の形状はわかりましたか?

これらを把握した上で、足のサイズ(足長)と幅(ウィズ)、足・靴の形状を考慮して靴を選んでいきます。

ここまで自分の足の形状と靴の形状の違いをご紹介させていただきました。

すべては「歩くための靴合わせ」につながります。靴は人間の土台です。そこが不安定な状態では、必ず足はもちろん他の関節にもトラブルが起きてきます。そのトラブルを少しでも抑えられる1つの治療手段に「靴」があります。

是非インソールだけでなく靴についても学び臨床に活かして頂ければと思います!

リハラボBayWalkingでは靴とインソールを学べます:

リハラボBayWalkingでは、社内勉強会を毎月数回開催しており、日々技術や知識の向上に取り組んでいます。また臨床だけでなく、講演会やイベントでも靴やインソールの相談を行う機会が多く、知識や技術をアウトプットし、高めることができる環境があります!

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