週の真ん中水曜日の江原です。慢性疼痛の「過敏性」について書いています。本日は慢性疼痛にみられる光過敏についてです。
光過敏とは
光刺激による過敏症を、光過敏(Photophobia)と光過敏症(Photosensitivity)に分類して整理します。
光過敏(Photophobia)は羞明のことで、光に対する過剰な感覚的反応、異常な不耐性を指します1)。運動恐怖(kinesiphobia)などの恐怖症を表す-phobiaの接尾語がついていますが、原因の多くは網膜や視神経に対する過度な刺激による眼科的な要因と神経学的疾患との関係があると言われています2)。
眼科での検査は正常で、白熱灯以外の人工的な室内照明に特に敏感なことが多く、時にパソコンのモニターも不快感の原因となります。
逆に太陽光は、窓ガラスなどの反射率の高い面からの光線に直面しない限り、あまり問題にならない場合も多いそうです。羞明を起こす疾患には、ドライアイや片頭痛があります。
光過敏症(光線過敏症)(Photosensitivity)は、光に対する皮膚の物理的な反応のことで、紫外線や特定の薬剤に関連し皮膚に炎症や発疹が生じます。紫外線アレルギーと呼ばれることもあります。
人間はある程度の紫外線に当たれば日焼けなどの反応を誰でも起こしますが、通常反応を起こさないような紫外線量でも敏感に炎症を起こす疾患を『光線過敏症』といいます(表1)。
光線過敏症には内因性と外因性の光毒性反応があり、その臨床像も多岐にわたるため、ここでは薬剤性の光線過敏症(Drug‑Induced Photosensitivity)について書きます。