任期満了に伴う富山市長選挙が2025年4月13日に告示され、現職の藤井裕久氏(63)と新人の染谷明子氏(47)が立候補。無所属同士による一騎打ちの構図となり、市民の注目を集めています。
とりわけ注目されるのが、理学療法士でありケアマネージャーとしても現場経験を持つ染谷明子氏の出馬です。「市民が主人公の富山市政をつくる会」が擁立し、共産党県委員会や県労連などが支援。子育て、教育、医療・福祉を軸とした“暮らし優先”の政策で、有権者に新たな選択肢を提示しています。
理学療法士から市長へ──「現場の声」を政策に
染谷氏は、理学療法士・ケアマネージャーとして20年以上にわたり地域医療と福祉の最前線で活動。現在は富山医療生活協同組合 本部組織課長として、市民の健康と暮らしを支えてきました。
公式サイトによると、染谷氏は自らを「一市民として、命と暮らしを守りたいという思いから立候補した」と述べており、既存の政治家とは異なる“現場発”の市政改革を訴えています。
31の具体的政策で「市民の暮らし最優先」を実現
染谷氏の政策は、サイト上で「31の提案」として整理されており、その中心には以下のような公約があります。
【子育て・教育】
中学校までの給食費完全無償化
給付型奨学金制度の拡充
小中学校へのエアコン設置完備と空調費支援
特別支援教育の体制強化
【医療・福祉】
・補聴器購入への助成制度創設
・高齢者・障がい者の移動支援拡充
・介護・保育・医療従事者への待遇改善
【生活支援・経済】
・水道・下水道料金の値上げ反対と減免制度の充実
・ごみ有料化の中止
・中小企業支援と地域経済循環の強化
染谷氏は、「上からの行政ではなく、市民一人ひとりの声を活かした市政を築きたい」とし、SNSや地域のつどいを通じた双方向の政治スタイルを強調しています。
対する現職・藤井氏は「コンパクト+スマート」政策で再選を狙う
一方、現職の藤井裕久氏は、コンパクトシティの継続とスマートシティ政策の導入を掲げ2期目を目指しています。自民・公明・立憲民主・国民民主の各党推薦を受けており、前回に続く盤石な体制で選挙戦に臨んでいます。
富山市長選の投票は4月20日|市民の選択は?
富山市長選挙と同時に実施される市議選は、38の定数に対し51人が立候補。こちらも激戦となっており、富山市政の行方を左右する重要な選挙となります。
市政運営の「専門家主導」から「市民主導」への転換を目指す染谷氏の挑戦は、全国の医療・福祉従事者や地域で暮らす有権者にとっても大きな関心事です。