日病協、急性期「上り搬送」の診療報酬評価を要望──プログラム医療機器の定義明確化、医療材料の逆ザヤも論点に

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日本病院団体協議会(日病協)は2026年5月22日、第257回代表者会議終了後の記者会見を開いた。5月13日の中央社会保険医療協議会(中医協)総会、および5月14日開催の中医協診療報酬調査専門組織「入院・外来医療等の調査・評価分科会」を踏まえた議論として、(1)プログラム医療機器の定義明確化、(2)急性期医療における「上り搬送」の診療報酬評価、(3)円安・ホルムズ海峡情勢に伴う医療材料の逆ザヤ問題──の3点を論点として表明した。

「上り搬送」を診療報酬で評価するよう一致して要望

入院・外来医療等の調査・評価分科会で示された令和8・9年度調査項目(資料P266)には、附帯意見(抜粋)として、救急外来応需体制および「下り搬送」(高度急性期から後方医療機関への転送)の評価に加え、後方医療機関から3次救急医療機関等への転院搬送(日病協は「上り搬送」と呼称)の実態把握が盛り込まれている。 日病協は今回の会見で、この「上り搬送」について「新たな地域医療構想の管理運営の議論でも出ており、診療報酬上で市民権を得る用語として定着させたい」と説明。後方医療機関から3次医療機関や大学病院、高度急性期病院、特定機能病院への患者搬送についても、令和6年度改定で新設された救急患者連携搬送料(下り搬送に対応)と同様にきちんと評価すべきだとの認識で全団体が一致したという。

プログラム医療機器、定義・価格・算定期間の明確化を主張

中医協で議論が進むプログラム医療機器(治療用アプリ等)について、日病協は「市販のヘルスプロモーション系アプリと、診療報酬上の対価として認められるプログラム医療機器との区別が不明確」と指摘。今後、医療機関が行う指導料の代替として位置づけられるプログラム医療機器が登場する可能性も視野に、定義・価格・診療報酬でカバーする期間の問題を継続的に注視していくとした。

整形外科インプラントの逆ザヤ──円安と中東情勢が拍車

円安進行とホルムズ海峡情勢を背景に、医療材料の納入価が診療報酬上の償還価格を上回る「逆ザヤ」が拡大している点も議論となった。会見では、整形外科で用いる人工関節などのインプラントについて、すでに多くの病院で逆ザヤが発生しているとの認識が示された。記者からの質問に対し、登壇者は「整形外科関係では全体の約3割程度が逆ザヤ」との発言があった一方で、「きちんと調査しているわけではない」と数値の留保も付した。 医療用手袋についても価格が1.5〜2倍に上昇しているとの発言があった。メーカー側には市場実勢価格等に応じた再算定の仕組みがある一方で、病院側が逆ザヤ分の損失を被った場合に補填される仕組みは存在しないとし、日病協は「メーカー側だけでなく、病院側の逆ザヤを是正する仕組みを国に求めていくべき」との認識で一致した。 質疑では、令和8年度診療報酬改定における材料価格対応について、当面はその効果を見極める一方で、対応が不十分であれば新たな仕組みを求めていく構えが示された。

日病協、急性期「上り搬送」の診療報酬評価を要望──プログラム医療機器の定義明確化、医療材料の逆ザヤも論点に

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