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チリのリハビリテーション教育の特徴(Vol.2)

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チリのリハ養成校は5年制

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Vol.1で述べた通り、チリには、PT・OT・STと、日本と同じリハ職種がいます。

全て国家資格であり、各資格とも大学で計5年間の勉学・実技を行い国家試験を合格したのち働くことができます。

内容は、4年の勉学と最終学年の1年は実習や研究を行うそうです。

実習は、直接見た事はありませんが調査によると、実践形式で実際に働く形と同じような状況で行うそうです。

また、実習地は自分で探してお願いをするそうです。ちなみに、実習に対してのバイザーの報酬はありません。

学生看護師と社会福祉士の実習を見ましたが、リハ職種と同じような進め方であるならば知識確認を行い、すぐに対象者との実践形式で進められています。

そして、終了後にフィードバックをしていきます。

また、全て指導するわけではなくできると判断されるとすぐにマンパワーとして一人で実習をしていっています。

更に記録なども電子カルテにするなど実践的な実習を同時に行っています。

 

家族との時間を大切にする文化

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実習期間は、まちまちですが、病院・診療所等、5年生に行うそうです。

実践的な実習であることから、卒業後は、1年目から即戦力として「一人」で働かないといけないそうです。

また、卒後教育として日本のように研修会・講習会もあります。

日本との大きな違いは、平日か土曜日に実施され、日曜や祝日に行われる事はありません。

なので、同僚が平日の昼間の仕事の時間に研修会に参加することがしばしばあります。

この理由は、チリでは日曜日や祝日は家族と過ごす時間を大事にする、チリの文化や習慣だからだそうです。

知識面ですが、骨・筋肉名などの解剖学の専門用語は英語・スペイン語で学習するそうで、英語でも単語を覚えているなど知識もあり、日本と同様に教育制度も充実していて勤勉ではないでしょうか。

卒後の実力では日本人より知識・技術があるようと感じました。

しかし、日本のように他職種や先輩からの指導・情報共有・仲間同士で技術を高めあうようなことは少ない状態です。

そのため、個人によってレベルに差があるのも事実です。

全ては、そのセラピスト自身の向上心次第になってきますが、一定のレベルの平均的な治療が提供できるのが強みではないでしょうか。

 

セラピストの特徴(PT/OT/ST)

PTは呼吸リハも積極的に実施

PTの治療手段は、物理療法と徒手療法です。

電気療法・ホットパック・パラフィンなどの温熱療法を使用する事が多いです。

チリの理学療法士は、小児から高齢者までの整形外科疾患・呼吸器疾患・脳血管疾患・癌疾患・脳血管疾患と幅広く対応をしています。

特徴的な例として、チリでは喘息など呼吸器の問題がある対象者には、医師からの処方が出て、呼吸機能検査の指示がでます。

その検査結果を持って医師が再び診断をします。

また、乳幼児が痰を絡ませて受診や飛び込みで来るケースも多く、排痰などの呼吸リハビリテーションを行います。

OTはまだ社会的認知度は高くない

チリでは、理学療法に比べ作業療法の歴史は浅く人数は少ない状況です。

大学での養成数もまだ少なく、田舎の診療所には作業療法士がいない事があります。

私の配属先には作業療法士はおらず、現在一人で活動している状態です。

その為、理学療法と作業療法の違いを理解している人は少なく理学療法士と間違えられる事や鍼灸師や整体師と言われる事も少なくはありません。

大きい都市になると病院・精神科・発達障害の子供に対して専門的な治療を行っており認識されています。

STは病院勤務はまだ少ない

調査によるとSTの特徴として病院・学校教育での言語授業で活躍されています。

病院では、高次脳機能障害の方に対して、日本同様の治療を行います。

幼稚園・小学校では、スペイン語の発音の練習の授業があります。

これは、スペイン語特有の発音や巻き舌の使い方など小さい頃には、発音が難しいためだそうです。

また、学校で働く理由として病院等での雇用が少ない事があり学校での仕事に就く方が多いそうです。

このようにチリは専門性が高く日本と大きく変わらないリハビリテーションサービスがあります。

 

*目次

【Vol.1】チリの医療事情

【Vol.2】リハビリテーション教育の特徴

【Vol.3】リハビリテーションの対象者・セラピストの働き方

【Vol.4】リハビリテーションに関わる住宅環境・福祉サービス

池本英哲先生 経歴

池本

経歴

1982年生まれ 埼玉県出身

健康科学大学卒

2008年 作業療法士免許取得

医療法人社団富家病院で作業療法士として、回復期リハビリテーション,療養型,特殊疾患病棟,透析,訪問リハビリテーション,デイケアなどの領域で7年勤務

現在:2015年3月より青年海外協力隊としてチリ共和国に派遣。作業療法の普及活動と啓発活動を行っている。

連絡先:Facebook 池本英哲 pond.book1026@gmail.com まで

 

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チリのリハビリテーション教育の特徴(Vol.2)

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