理学療法士や作業療法士が関わっていることも多い「介護予防事業」。
今月26日、内閣府による資料が公表され、介護予防事業への参加によって要介護認定率が下がっていたことが分かった。
▶︎ 政策課題分析シリ-ズ 15要介護(要支援)認定率の地域差要因 に関する分析
この分析は、主に①EBPMの観点から効果的な政策立案、②要介護(要支援)認定率の地域差要因の解消、③効率的な健康施策のあり方の模索を目的に行われた。
要介護(支援)認定率を高くする可能性のある項目は、75歳以上・80歳以上・85歳以上・90歳以上/65歳以上の比率や、人口10万人当たりの老人福祉費、人口10万人当たり一般病床数、人口10万人当たりの死亡者数(総数・疾病)などが挙がった。
一方で、要介護(支援)認定率を低下させる可能性のある項目としては、スポーツ行動者割合(45歳以上・55歳以上・65歳・75歳以上)、自治体の財政力指数、保険料負担が基準額を上回る者の割合などがあり、高齢になってからの運動習慣はもちろん、45歳といった若年世代からの運動習慣も自立にとって重要な要素であることが分かった。
また、要介護(要支援)認定率について、比較的軽度と考えられる要介護2以下と中等度以上の要介護3以上に分けて、地域差をみたところ要介護2以下認定率では、21.3%(奈良県野迫川村)から 2.6%(北海道音威子府村)まで 8.16 倍の地域差、要介護3以上認定率では、15.8%(福島県三島町)から 3.0%(北海道音 威子府村)まで 5.19 倍の地域差があること分かった。
さらに、「要介護2以下の認定率」が高い自治体では、「要介護3以上の認定率」が高いということも分かった。
保険者単位で「要介護2以下の認定率」をみると、「訪問型介護予防事業(総数)参加実人数/二次予防事業対象者」、「介護予防普及啓発事業(講演会や相談会)参加者延数」との間に負の相関があり、自立支援・重度化防止に向けた取り組みに大きな効果の可能性があることが分かった。