大阪市立大学大学院医学研究科津田昌宏講師、腎臓病態内科学 石村栄治特任教授らの研究グループは、糖尿病前段階かつ肥満である人は腎臓に負担がかかっていることを明らかにした。
▶︎ 肥満であると糖尿病の前段階でも腎臓に負担がかかっていると判明
糖尿病の合併症の代表として網膜症、腎症、神経障害があげられる。糖尿病は慢性腎臓病を発症し、透析を導入している患者の原疾患の40%以上を占めている。このような合併症を引き起こさないためには、早期発見・早期治療が肝要ある。これまで糖尿病性腎症の前段階であっても腎臓に負担がかかっている可能性は推測されていましたが、実際にヒトで検討することは困難とされていた。
津田講師らの研究グループは、合併症や既往歴、内服歴のない54名の腎移植ドナーを対象にGomezの式を用いて肥満度、インスリン抵抗性、糸球体内圧、アルブミン尿の関連性について検討した。その結果、糖尿病前段階であっても肥満である人は糸球体内圧が高く、腎症の判断基準となるアルブミン尿が多いことが明らかになった。
本研究成果により、糖尿病前段階であっても腎臓への負担を把握することで慢性腎臓病を引き起こす前に防ぐことが期待される。本研究の成果は、9月14日に「Diabetes Care」に掲載されている。