振動刺激の臨床活用

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皆さん、こんにちは。火曜日担当の藤本裕汰です。本日もよろしくお願い致します。本日は物理療法の中に分類される振動療法について解説していきます。私自身、物理療法の一番の強みとしては設定や活用方法を理解すれば誰が使用しても差が出にくい事であると考えています。その中でも比較的安価であり、臨床の中で使用しやすい振動刺激について解説していきたいと思います。

振動刺激

振動療法とは振動刺激を用いてリハビリテーションを促進するものです。振動刺激には局所筋振動療法と全身振動療法の2つに分けられます。局所筋振動療法の機器として代表的なものはハンディマッサージャーであり、全身振動療法はPower Plate®になります。

 

局所筋振動刺激の効果としては痙縮の抑制、半側空間無視の軽減、疼痛の軽減が挙げられます。全身振動療法の効果としては痙縮抑制、疼痛の軽減、筋力増強、血行促進、疲労発生の軽減、骨密度の増加、バランスの改善が挙げられます1)

局所筋振動療法の適応は脳卒中片麻痺・整形外科疾患・慢性疼痛と幅広く使用することが出来ます。最初に解説したように比較的に安価であり、使い方など理解すれば個人差が出ないことも非常に良い点であると考えられます。

 

禁忌としては身体に直接当てていくため、創傷・瘢痕・発疹・潰瘍部位、ペースメーカー留置者、刺激部位に金属やシャントがある方になります1)。使用の有無については電気刺激と同様に主治医に確認することも必要になります。

 

振動刺激の効果

ここからは振動刺激の効果について解説していきます。効果に関しては痙縮の抑制、半側空間無視の軽減、運動錯覚による疼痛の軽減、筋肉痛の軽減が挙げられます。本日はこれらの機序の説明を行っていきます。

痙縮に対する振動刺激

痙縮抑制に関しては大きく2つのメカニズムに分けられます。相反抑制シナプス前抑制の2つが存在しているため、2つのメカニズムに対して解説します

 

相反抑制は収縮した筋の拮抗筋が弛緩することを指します。そのため痙縮筋に対して行う際には、痙縮筋の拮抗筋を収縮し、痙縮筋の抑制を図る方法になります。下腿三頭筋の抑制を図る場合は前脛骨筋の収縮を促していきます。

 

筋収縮を起こす方法として振動刺激を用いて、緊張性振動反射(TVR)を起こしていきます。緊張性振動反射は振動刺激を与えた際に筋紡錘からの求心性入力により、刺激された筋に生じる反射性収縮になります。使用例としては下腿三頭筋の痙縮に対して前脛骨筋に振動を当て、前脛骨筋の収縮を引き出します。その結果、相反抑制により下腿三頭筋の痙縮を抑制します。

 

緊張性振動反射は100Hz程度で生じ、筋の張力が高い状態の方が強く出現します1)。そのため、前脛骨筋の収縮を促す際には底屈位から100Hz程度の振動を当てていくことが望ましいです。

 

シナプス前抑制は感覚神経を介して抑制を図る方法になります。機序としてはⅠa求心線維を刺激することで介在神経細胞を介してα運動ニューロンを抑制します。その結果、興奮性が低下し痙縮の抑制に繋がります。その他の機序としてはⅠa線維の閾値の上昇、Ⅰa線維での伝達物質の枯渇であると考えられています2)。下腿三頭筋の抑制を図る場合は下腿三頭筋に対して振動刺激を行っていきます。

 

この際にポイントになるのは振動数と振動時間になります。先程の緊張性振動反射は100Hz程度でしたが、シナプス前抑制は76〜90Hz程度で行うこと3,4)でシナプス前抑制を狙うことが出来ます。また振動時間に関しては3~5分が望ましいと考えられます。

 

これらの2つのメカニズムをまとめると以下の図になります。考え方としては拮抗筋を促通する中で痙縮を抑制したい場合は促通、痙縮筋の抑制をメインで考える場合は抑制として使用することがお勧めです

半側空間無視に対する振動刺激

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