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新たな急性心不全患者の腎機能悪化を早期に予測・発見する指標を発見

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急性心不全患者における活性型BNPとNT-proBNPの比率は腎機能悪化を早期に予測・発見する指標となるー。

国立循環器病研究センター髙濱博幸らの研究チームは、急性心不全患者における腎機能悪化とBNPの内在分子の比率の変動の関連性を初めて明らかにし、その有用性を提唱した。

▶︎ 国立循環器病研究センター

 

心不全の治療入院中には、急激に腎機能悪化を起こすことが多く、長期予後にも悪影響を及ぼすため、その早期発見は重要な課題とされてきている。


腎機能の評価は、一般的に血中のクレアチニン濃度に基づき評価法が用いられているが、クレアチニンは、年齢や体重、筋肉量などの影響を受ける点や、腎機能悪化からクレアチニン上昇までに時間を要する点などの課題があった。

 

心不全の患者では脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の心臓での産生が亢進するため、BNPは心不全のバイオマーカーとして世界中で広く利用されている。BNPは心筋細胞内で前駆体(ProBNP:BNPの基となる物質)として合成され、活性型BNPと非活性型であるNT-proBNPに切断されて放出される。


研究チームは、心臓から産生、分泌されるこの2つの分子の代謝の差異が腎機能と関連すると考え、この現象が心不全患者の腎機能悪化の予測に利用できると仮説を立てて検証した。



患者から計4回の血液採取を行い、推定活性型BNP、NT-proBNPの濃度と腎機能の推移をみると、NT-proBNPは入院後、WRF発症者と非発症者の間で差異を認めなかった、推定活性型BNP濃度はWRF発症者で低下を認めた。さらに両者の比率(NT-proBNP/推定活性BNP)はクレアチニンを基に計算された推定糸球体濾過量の上昇よりも早期に上昇することを見出した。


さらにこの現象(NT-proBNP/推定活性型BNP比率と腎機能の関係)は、心不全の重症度の高い患者(NT-proBNP中央値より高値の患者)で、より顕著に認められた。

 

新たな急性心不全患者の腎機能悪化を早期に予測・発見する指標を発見

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