運動に関する保健指導を行う専門職として、理学療法士をご活用いただけるように制度の改善をー。
今月12日、日本理学療法士協会は「コロナ禍において国民に適時適切な理学療法を提供し健康寿命を延伸するための要望」を厚生労働大臣に提出した。
▶︎ http://www.japanpt.or.jp/general/activity/statement/
働く世代においては、テレワークの普及により身体活動の機会は減少し、生活習慣病や腰痛を持つ人が増加する中、特定健康診査や特定保健指導の効果が薄い結果が示されるなど、家に留まることによるフレイルの進行と拡大が発生している。
京都大学福間真悟准教授、カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) 津川友介助教授 、東京大学大学院飯塚敏晃教授らの共同研究グループが、今月6日にJAMA Internal Medicineに報告した、大規模な健診データを用いた効果検証によると、保健指導の対象者の内で「実際に保健指導を受けたこと」による肥満改善はわずか2%にとどまっている。
働く世代に対する特定健康診査や、特定保健指導の効果を高め、健康寿命の延伸をさらに推進するためには、栄養と運動についてバランスよく指導する体制を整えることが重要であることから、理学療法士を活用するようにと制度改善を要望した。
また重ねて、「子供から高齢者、障がい者の運動に関する実態調査における理学療法士の活用」「コロナ禍の状況を踏まえた柔軟な介護保険制度制度改正」も要望した。