【書評】続 12人のクライエントが教えてくれる作業療法をするうえで大切なこと

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 本書は2019年に出版された「12人のクライエントが教えてくれる作業療法をするうえで大切なこと」の続編です。今回も三輪書店様より御献本いただきました(プレミアム会員向けプレゼント書籍)ので書評させていただきます。

 

本書はある意味で、症例報告となります。しかし、これまでのような決まった書式ではなくタイトル通り「12人のクライエント」が物語調に語られています。最初は、このような書式の意味が理解できませんが、読み進めることで意味がわかってきます。

 

今回の書評では、具体的な内容には触れず、本書を読んだ率直な感想としたいと思います。

 

物語は捏造される

 我々、療法士にとって患者さん、クライエントのバックグラウンドは大切な評価の一部です。当然、人と人の対話の中で生まれるその物語は、専門家として客観的である必要があります。

 

しかし専門家ゆえ、患者さんの物語を捏造、つまり誤った形で認知してしまうことがあります。と言っても、それに気付かされたのは、本書を読んだからこそです。

 

おそらく、客観的にかつ具体的に、そのような状態を見ることがなければ、捏造にも気づきません。ある意味では完全な客観ではなく、間主観的認知にはなりますが、本書を読むことでグッと客観に近づけることと思います。

 

特に、本書を読んで改めて感じたことは「作業療法」の要素の多さです。当然「理学療法」においても要素は多いのですが、人体の基本を追行する理学療法とは違い、作業療法は個々人の環境等が大きな影響を及ぼすため、その要素は無限となります。

 

では一体、どのようにその要素を絞るのか?クライエントとの会話のみでは、物語を捏造する危険性があることを本書は教えてくれます。クライエントが指し示す情報とともに、裏付ける情報をさらに深掘りすることで、この無限の要素から的を絞ることができます。

 

ぜひ一度、ご自身がクライエント理解に創造した物語が、捏造になっていないか、頭の中で整理することをオススメします。

 

理学療法士が読むべき書籍

 本書のタイトルを読むと「作業療法士」向け書籍であると言えます。しかし、理学療法士だからこそ読むべき書籍であると思います。理由は、上記にも書いた通り、作業療法の要素の多さを理解することです。

 

我々はチームアプローチがあってこそ、成り立つ職業であり作業療法だけでも理学療法だけでも、当然言語聴覚だけでも完結することはできません。ただし、あまりにもそれぞれ三職種がお互いの専門性に関して知らな過ぎます。

 

知らないということは、専門外ということになりますが、知らな過ぎれば境界すらわかりません。本書を読み、作業療法の難しさ在り方、理学療法で行うことがより明確になったと言えます。

 

その一つが、客観性です。数字だけではない客観性を本書から学ぶことができました。逆に言えば、本書を通さなければ気づく事の出来ない、客観性です。ぜひ、理学療法士にも一読願いたい書籍であると強くオススメいたします。

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