上肢Fugl-Meyer Assessment(FMA)の捉え方②

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皆さん、こんにちは。火曜日担当の藤本裕汰です。本日もよろしくお願い致します。本日は以前も書いた上肢FMAの捉え方についてもう少し詳細に書いていき、実践しやすい知識として解説していきます。FMAの詳細についても以前まとめているので、以前の記事()を確認していただけたらと思います。

 

上肢FMA

Fugl-Meyer Assessment(FMA)とは上肢運動機能、下肢運動機能、バランス、感覚、関節可動域、疼痛からなる脳卒中の総合的な身体機能の評価になります。運動機能の評価ではブルンストロームステージの考えに基づき、段階的な回復をするという考え方になっています。考え方的には弛緩→共同収縮→分離という考え方になります。ブルンストロームステージとの相関は高く、StageⅢの症例ではさらに細かい評価が可能になっています1)

 

評価としては0:全くできない・1:部分的に可能・2:全可動域で可能の3段階評価であり、A肩/肘/前腕、B手関節、C手指、D協調運動の4つの大項目から構成されています。使用する道具としては打鍵器、鉛筆、A4用紙、筒(3cm程度)、ボール(テニスボール程度)、ストップウォッチになります。必須ではないですが慣れるまでは動画を撮影し、動作を見ることもお勧めです。

 

基本的に評価上の注意として介助はせずに実施していきます。評価を行う中で動作説明にアシストして模倣を介助で行うことは可能です。また、動作の中で可動域制限により動作が行えない場合にその範囲を満たしていれば2点になり、66点満点の評価です。

 

信頼性・妥当性は高く、検者間信頼性と検者内信頼性が報告されています。FMAはICFの中で機能レベルの麻痺の程度を捉えており、世界的に使用されている評価になります。

 

上肢FMAの解釈

FMAの評価では47点以上は軽度、20〜46点は中等度、19点以下は重度と報告されています2)。FMAの臨床上意味のある変化量であるMCIDは急性期・回復期などの時期により微妙な違いは見られますが、6点程度と報告されています3)

 

またFMAの予後予測なども有名であり報告もされています。約7割の方の予後予測が可能であり、非常に有効な予後予測になっています4)。発症後72時間のFMAより発症後6ヶ月のFMAの予測する方法であり以下のような計算式になります。

 

0.7×(66―発症72時間以内のFMA)+0.4

 

上肢FMAの臨床応用

本日臨床に活用する方法に関して「transition zone」という概念になります。まずこの前にお伝えする考え方としてはラッシュ分析についてお伝えします。

上肢Fugl-Meyer Assessment(FMA)の捉え方②

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