【イラスト付き】梨状筋の起始・停止を理解して触診・作用をマスターしよう。

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A さん
梨状筋について質問させてください。梨状筋の作用は、外旋筋だと思うのですが、他にも外旋筋はたくさんあります。しかし臨床上、梨状筋があらゆる場面で重要視されるのはなぜですか?
生理 マナブくん
確かに、そうですね。ただ、残念ながら私の専門は生理学です。梨状筋の話は専門の理学療法士に聞いてみましょう。
A さん
生理マナブさんって、何者なんですか?
生理 マナブくん
……。それでは、理学療法士の山崎先生よろしくお願いします。

 

梨状筋の起始・停止を覚える

梨状筋 表

梨状筋の特徴は、仙骨の前面に付着していることです。さらに、大転子の先端に付着していることから、わずかな外転にも作用していることがわかります。もう少し細かく梨状筋について図を見ながら観察してみましょう。(もっと詳しい解剖に関してはこちらをご覧ください

梨状筋の通る場所

骨盤 後面

 

梨状筋の通り道を理解するために覚えておきたい靱帯があります。「仙棘靱帯」です。

 

rijyoukin_toorimichi

上の図をいてもらうとわかると思いますが、仙棘靱帯が付着することで、骨盤の後面には、二つの通り道ができます。このうち、梨状筋は大坐骨孔を通り抜け、仙骨の前面に付着します。

 

梨状筋を後面から見てみましょう。

梨状筋

ちなみに、坐骨神経は梨状筋の下から出てきます。それでは、梨状筋を前面から見てみましょう。仙骨の前面に付着しているため、梨状筋の起始部の触診はできません。このあと、触診に関しては詳しく説明いたします。

梨状筋 前面

 

梨状筋には股関節外旋以外の作用がある

先ほど見ていただいた、画像でわかる通り、梨状筋の停止部は大転子の内側に付着しているため、外転作用もあります。しかしこれらの収縮は、“求心性収縮”における作用です。筋の収縮形態には、この他、“遠心性収縮”があり、この収縮の観点から見ると、また別の作用が浮かび上がってきます。(以前の記事で、筋収縮の仕組みについて詳しく書いています

 

大腿骨頭を臼蓋に対して求心位に保つ働き

梨状筋 求心力

梨状筋の解剖図をよくみてみると、股関節の外旋運動を起こすだけではないことが、視覚的にみることができます。

写真の中で梨状筋の走行に着目してみてください。梨状筋は仙骨の前面から起始し、股関節を形成する臼蓋と大腿骨頭のちょうど中央部、股関節運動の中心点にあたる付近を走行し、大腿骨大転子上縁につきます。このことから「大腿骨頭を臼蓋に押し付け、股関節運動の適合性を高めていると、いわれています。

 

それでは、この梨状筋の求心位に保つ作用を検証してみましょう。ただその前に、「関節の自由度」について確認しておく必要がありますので、図で理解していきましょう。

股関節の基本的な構造

運動学的に関節には運動軸の数によって、1軸性・2軸性・多軸性関節に分けられます。それぞれ運動自由度を1度・2度・3度の関節と言われます。股関節は、自由度3の関節です。

関節構造

この動きを、保つために梨状筋が、骨頭を求心位にする必要があります。この作用の確認方法として、股関節外転筋のMMTで確認することができます

股関節の不安定性(骨頭と臼蓋の適合性)において、股関節の外転筋力と内転筋力間の不均等を認める。 (前沢克彦他:変形性股関節症症例における患側起立時の骨頭と臼蓋の適合性ならびに股関節外転・内転筋力について:医中誌webより)

 

股関節外転MMTを行う

股関節外転筋力

上の図のように重力に対して持ち上げることができれば、3の筋力が確保されています。次に療法士の手を、計測下肢に乗せ、その重さに耐えられれば4、さらに抵抗に対して抵抗することができれば5とします。

 

梨状筋を触診して、筋肉を緩めてみよう

梨状筋を触診し梨状筋の硬さを確認します。ここでも、梨状筋の起始停止や走行、部位を解剖学の教科書で確認した上で触診を行いましょう。

梨状筋 触診

梨状筋の触診方法は図に示されているように、

①大腿骨大転子、尾骨、上後腸骨棘(以下PSIS)のランドマークを触診

②その骨指標をつなぎ三角をつくる

③尾骨-PSISのラインから大転子にかけて二等分する

④二等分した上方に位置する三角形の場所が梨状筋のある位置

 

梨状筋は深部の筋肉になるため深く押圧をして触診してみましょう。そして、梨状筋の硬さがあったのならば、それを押圧でいいのでリリースしてみます。

 

その後、もう一度MMTを測定し筋力の発揮具合を評価してみて下さい。これでもし、筋力発揮が強くなっていたのならば、梨状筋の硬結により股関節の適合性が悪く、股関節周囲筋の筋力発揮を阻害していた、または梨状筋が股関節の適合性を高める事に関与していた事が一つ考えられます。

 

臨床ではこのように解剖学的特徴をもとに仮説を立て、その仮説の効果検証を一つ一つ行っていくことで臨床に繋がる解剖学が自然と身についていきます。

 

教えてくれたのはこの先生

山崎仁史(やまざき ひとし)

資格:理学療法士、呼吸療法認定士、ヨガインストラクター

所属:リハビリテーション臨床校 Fit-フィット- 統括責任者

 

福井県内の総合病院に7年間勤務し、急性期~在宅においてあらゆる疾患の患者を担当。また頭痛専門医と連携し「頭痛リハ外来」を設立するなど慢性疼痛疾患患者に対しても理学療法を提供していた。現在はフィールドを地域に移し、地域リハビリテーションの中核を担う会社にて個別だけでなく、集団での指導や新事業の展開など精力的に活動をしている。

病院勤務時代には自身の理学療法士としての現在地を見つめ、県外の講習会へ毎週参加していた。そこで臨床に対して熱い思いを持った理学療法士に惹かれ、一念発起、地元北陸地域でセミナー団体を立ち上げ自身のスキルアップはもとより、これからの時代を生き抜く若手リハビリテーション従事者の育成こそが急務と確信し、若手セラピスト向けに年間40回以上の講習会の企画・運営を行い、また自ら講師としても活動している。

 

【リハビリテーション臨床校 Fit-フィット-】

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yamazaki
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【イラスト付き】梨状筋の起始・停止を理解して触診・作用をマスターしよう。
matsuyama
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