リハ実施計画書未作成で約352万円を自主返還──瀬戸内市民病院、適時調査で疑義

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瀬戸内市民病院(岡山県)は5月8日、疾患別リハビリテーションの実施計画書を作成しないまま診療報酬を請求していた事例が202件確認されたとして、約352万円を自主返還すると発表しました。中国四国厚生局による適時調査がきっかけです。返還対象は2021年9月~2025年5月の約3年9カ月分に及びます。

適時調査で「計画書なし」を指摘、自己点検で202件判明

事の発端は、2025年6月4日に実施された中国四国厚生局の「施設基準等に係る適時調査」です。同調査で「リハビリテーション実施計画書が作成されていないにもかかわらず診療報酬を請求しているのではないか」との疑義が示されました。

病院側はこの指摘を受け自己点検を実施。その結果、疑義に該当する事例の存在を確認し、自主返還を決定しています。

返還の概要は以下の通りです。

  • 返還対象期間:令和3年9月診療分~令和7年5月診療分(約3年9カ月間)
  • 対象件数:202件
  • 返還予定金額:3,521,710円

問われたのは「計画書の作成・説明・交付」──現場が再確認すべき算定要件

今回疑義の対象となったのは、疾患別リハビリテーション料の算定要件として定められた「リハビリテーション実施計画書」に関する一連の手続きです。

具体的には、リハ開始後原則7日以内・遅くとも14日以内に実施計画書を作成すること、作成時およびその後3カ月に1回以上、患者または家族へ内容を説明・交付すること、そして写しを診療録に添付すること──これらが求められています。

いずれもセラピストが日常的に関与する業務です。「計画書は作っている」と思っていても、説明・交付・添付のいずれかが欠けていれば算定要件を満たさない可能性がある点は、改めて注意が必要です。

再発防止策にダブルチェック体制・電子カルテ改修を導入

病院側が公表した再発防止策は5項目に及びます。

診療報酬請求業務の管理体制を全般的に見直したうえで、電子カルテシステムの改修による請求管理の効率化を図ったとしています。患者・家族への説明手続きの再確認と強化、請求業務のダブルチェック体制の導入に加え、全職員を対象とした教育・研修も実施済みとのことです。

院長は「市民病院に対する市民の信頼を著しく失墜させる事態」と認め、「二度と起こらぬよう全力で再発防止策を講じる」とコメントしています。

まとめ・今後の対応

病院は今後、関係保険者への返還手続きを速やかに実施するとともに、返還対象となった患者およびその家族へ個別に連絡し、適切な手続きを進めるとしています。

適時調査は全国の医療機関を対象に実施されており、リハビリテーション部門が指摘を受ける事例は珍しくありません。自院の計画書作成・管理フローに不備がないか、この機会に点検しておくことをお勧めします。

▶︎診療報酬の返還について

リハ実施計画書未作成で約352万円を自主返還──瀬戸内市民病院、適時調査で疑義

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