【世界初】破骨細胞、骨芽細胞に接触することで抑制されることを発見!

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大阪大学大学院医学系研究科の石井優教授(免疫細胞生物学)らの研究グループは、生体骨組織内において、骨芽細胞と破骨細胞が直接接触しコミュニケーションをとる瞬間を捉えることに世界で初めて成功した。

▶︎ 骨を造る細胞と骨を溶かす細胞の 生きた相互作用を世界で初めて可視化! ~骨粗鬆症やがんの骨転移に対する新たな治療法開発に光~

 

石井らは、独自の生体イメージング技術を用いて生きたままの骨の表面部分を4次元で詳細に可視化する技術を確立。

 

マウスの頭蓋骨の破骨細胞と骨芽細胞を同時に観察したところ、両者の細胞の集団は、近くでも互いに距離をとっていることが多いが、一部の破骨細胞は突起を出して骨芽細胞に接触。その後、破骨細胞は骨を溶かす酸を出さなくなることが分かった。

Photo:http://www.med.osaka-u.ac.jp/activities/results/2017year/ishii-2018-01

 

また、骨粗鬆症の治療薬「副甲状腺ホルモン(PTH)製剤」の働き方も調べたところ、薬物投与後数週間たったマウスでは、破骨細胞と骨芽細胞の集団が混じり合って接触しやすくなり、骨を壊す働きが抑制されていることが分かった。

 

これにより、石井らは「骨粗鬆症やがんの骨転移など骨の構造が破綻する病気に対して、骨芽細胞と破骨細胞のバランスを調節するという新たな治療法開発が期待される」と述べている。

 

なお、本研究成果は、英国科学誌「Nature Communications」に、1月19日(金)に公開されている。

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