【映画「栞」】主演:三浦貴大(PT:高野雅哉役)インタビュー

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—こちらの作品の台本を最初に読まれた率直の感想をお願いいたします。

 

 

三浦さん:最初にいただいた台本から、ちょっと現在のものは変わっていて、準備本からのイメージとは違いますね。

 

—ご自身の役が“理学療法士”ということで、最初の理学療法士のイメージはどのようなものでしたか?

 

三浦さん:友達に理学療法士がいるので、そのイメージが強いですね。ある程度は、どんな仕事か知ってはいたのですが、実際に病院でどんな動きをしているのか、どう患者さんと接しているのかは全然知りませんでした。ですので、そこから調べていったという感じですかね。

 

—演じていく中で、その“理学療法士”のイメージに変化はありましたか?

 

三浦さん:そうですね。リハビリという中で、希望に溢れた仕事だと思っていました。理学療法士が関わることによって、患者さんが良くなっていくのを見ていく、ということしかイメージがなかったので。

 

ただこの役を演じることで、これ以上良くならない、現状維持をしなければならないという場面もあって。僕は演じているだけですが、「もっと良くしてあげたい」と思っても、現代の医学では良くできないと、分かりきった中で仕事をするのは難しいことだなと思います。どこに、感情を向けて仕事をしていけばいいのか、そこがすごく難しいなと感じましたね。

 

—理学療法士の高野雅哉(たかのまさや)は三浦さんが演じてみて、どういう人間だと思いますか?

 

三浦さん:ざっくり言うと、優しくて仕事を真面目にやっていて、本当に普通の人だと思いますね。そう言う意味では、よくある役ではあります。結局、普通に働いている人たちは、普通の人たちですから僕を含めて。今回の作品は、そんな普通の人間が、特殊な環境に立たされた時にどうなってしまうのかと言うのが、今回の作品です。そう言う意味では、雅哉は本当に普通の人間だと思いますね。

 

—例えばの話ですが、三浦さんがリハビリをしなければいけなくなった時、三浦さんは雅哉のような理学療法士が担当だと安心できますか?

 

三浦さん:そうですね。雅哉みたいな人がいたらいいかなと思います。この作品に出てくる永田(前原滉)のような理学療法士もいいなと思います。んーまぁそうですね。何が理想なんですかね?人と関わる仕事だから、その人それぞれに合う、合わない理学療法士がいて、当然だと思うんですけど、自分自身だとしたら、雅哉のように一生懸命自分のためにやってくれるのはいいんですけど、僕だったらもっとドライな理学療法士の方がいいなと思います。

 

—つまり雅哉は感情豊かという感じですか?

 

三浦さん:んー感情豊かというよりは、表に感情を出しているわけではないですけど、“患者さんに寄り添う”という意識があるんじゃないかと思います。

 

—雅哉のように寄り添いすぎる理学療法士よりも、患者と理学療法士のボーダーをしっかりと守ってくれる方がいいということですね。

 

三浦さん:そうですね。そういう理学療法士の方が僕はいいですかね。リハビリ中にも、普段の話をしたくないですし(笑)ちゃんとリハビリだけをやってくれる理学療法士の方がいいですね。

 

ー雅哉にとって孝志(阿部進之介)は、どういう存在だったのでしょうか?

 

三浦さん:孝志のような人間が、雅哉にとって今まで出会ったことのない人だったわけじゃなくて、ある意味で救いになっていたのかなと思いますが、なんだろう難しいですね。不思議な関係ですね。実生活の中で、もし雅哉がたかしに出会っていたら友達になっていたかというと、多分なっていないと思います。

 

でも、雅哉の環境が家族だったり、患者さんとのことだったりという中で、孝志と出会って、孝志が支えになって、孝志を見ていたら「何かもっと自分でもできるんじゃないか」と、思えたというのもあるので。なので、すごく特殊な環境で出会って、そういう関係性になったということなんじゃないかなと思います。

 

自分が理学療法士ということに限界を感じているときに、絶対に歩けないだろうと言われている人が、歩こうとしたり、少しでも動こうと、特に藤村(孝志)さんの場合、強く持っている人なので、そういう人を見て触発されるような気持ちに雅哉はなっていったのだと思います。

 

—そんな雅哉の感情というのは、今働いている現役の理学療法士も日常の中で感じている感情だと思うのですが、そんな理学療法士にはどのような想いで観てもらいたいと思いますか?

 

三浦さん:いや、もう現役の理学療法士の人には、僕自身理学療法士ではないので、わからなくて、どちらかというとどう思ったか聞いてみたいですね。ただこの映画を観て、「かっこいいから理学療法士になってみよう」と思う人は増えないと思うんです。

 

ただ、これを観て「理学療法士になってみよう」という人たちは、ある種の“覚悟”をもって理学療法士になってくれる人なんじゃないかなと思っています。そういう人が理学療法士になってくれたら、いいんじゃないかなと思いますね。

 

ですから、現役の理学療法士の人というよりは、もっと広く、今から理学療法士になろうとか、理学療法士を知らない人が観てくれるといいかなと思っています。

 

—では最後に、この映画【栞】をご覧いただく皆様にメッセージをお願いいたします。

 

三浦さん:そうですね。伝えたいことというのは、映画に全部入っていると思うので、僕からいうことはないんですけど、どんなメッセージ性があろうと、映画は映画ですので、一本の映画として楽しんでもらえればと思います。

 

—ありがとうございました。

 

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