以下は、私が20代のころからセミナーを受講するときに心がけていたことです。セミナー受講の価値は、受講中にどれだけのことを理解するかとともに、セミナー受講の翌日からの過ごし方次第でどうにでもなります。
受講中の心構えとして、以下の3つを重視してきました。
① 講師の治療理論(すなわち総論)を確実に理解します。このとき、盲目的にではなく、批判的に理解することが重要です。
② 各論を各論として覚えるのではなく、総論と照合して総論と各論に矛盾がないことを確認しながら理解します。総論と矛盾がなければ、各論は一旦忘れても問題ありません。総論どおりに治療を進める上でどのような各論(治療技術)が必要なのかを理解できれば十分です。
③ 受講者として、それまで積み上げてきた治療についての考え方の枠組みからはみ出すもののみをメモします。つまり、聞いていて自分の考えていることと異なる部分、違和感のある部分、全く初めて聞く考え方こそ、その講師のセミナーの価値ということになります。
つまり各論を追いかけ回すように学ぶのではなく、講師の総論をより深く理解することに徹します。1日のセミナーを受けてメモは10行以内で十分。強いインパクトのある新しい総論的知識のみをメモします。そして、セミナーが終了するまでに、講師の治療総論を100%理解します。
さらに重要なのは、その翌日の過ごし方になります。まず、前日に学んだ総論を復習し、その総論どおりに治療を行うことを強く決意します。そして、1日、それを徹底します。各論は真似してもそう簡単に実行できるものではありませんが、総論は実施できます。そしてその後もセミナーのテーマであった疾患の治療を常に総論に従って進め、それを少なくとも30症例経験しましょう。
30症例くらい経験すると、総論どおりに治療が進まない場合に、その原因が技術の未熟さであることが鮮明に理解することができます。そして、そこからが技術研修の始まりになります。一つの総論に従った治療を30症例経験し、その上で技術の習得が不可欠であることを強く理解し、それからその技術を習得できるようにあらゆる努力を積んで行きましょう。
実用的に使えるレベルの技術を習得までの道のりは数ヶ月か、もしかしたら数年間かもしれません。私は、一つの治療理論を習得するには少なくとも3年間取り組む必要があると思っています。それにより、1日のセミナーの価値は数十倍に拡大します。
■ 筆者・セミナーご紹介
筆者:蒲田和芳
・広島国際大学総合リハビリテーション学部 リハビリテーション学科 教授
・株式会社GLAB(ジーラボ) 代表取締役
・一般社団法人日本健康予防医学会 副理事長
・株式会社リベラシオン 代表取締役
セミナーご紹介:蒲田和芳が講師を務める~全身の関節疾患の治療法を学ぶためのセミナーシリーズ~CSPT2018 クリニカルスポーツ理学療法セミナーの受講者お申込み受付中です。
https://realine.info/seminar/cspt
長期間の「拘縮」や「可動域制限」に対しても、確実に可動性を回復させるための徒手療法技術ISR(組織間リリース®)セミナー2018も受講者お申込み受付中です。
https://realine.info/seminar/isr
■ 関節疾病の治療と進行予防のスペシャリストになるためのサイト
▼ ReaLine.infoのサイトはこちら
関節疾病を解決へ導くためには、一時的な症状改善ではなく、根本から治療が必要です。そして、効果を長続きさせること、再発させない状態へと戻すことが重要です。
関節疾患の原因へ根本から働きかける治療理論・テクニックは、足関節から膝、股関節、胸郭、肩、肘などほとんど全身の関節を対象としています。ほぼすべての関節の悩みに、この治療理論を適用することができます。
ReaLine.infoでは関節疾病を解決へと導く様々なセミナー、商品をご紹介しております。是非お立ち寄りください。