ミャンマーの福祉用具事情について

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問題は山積み

今まで紹介してきたように、ミャンマーにおけるリハビリテーションは、途上国では比較的早い時期からの取り組みの歴史があるにも関わらず、多くの課題を抱えています。それらの改善には社会全体の変化、特に経済的発展が必要になる課題、すなわち投入される資源の増大が先決となる課題が多いのですが、そのような環境の中でも、人々は制約を乗り越えるべく努力しています。日本では当たり前に利用している車椅子や装具での例をいくつか紹介します。

 地雷被害等の切断者への義足の提供が優先される

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身体障害の分野で義肢装具は重要な手段ですが、ミャンマーではそれらを手に入れることが根本的に難しい実情があります。他の途上国同様、国内で製作する技術や資金が無く、輸入に必要な外貨は貴重です。国外からの援助や関係者の努力により数か所で義肢装具製作ができますが、乏しい資源を有効に利用するため、その対象は地雷被害等の切断者への義足の提供が優先されており(「より安く、多くの人に義足を」の方針)、その他の装具等の製作・供給に使用できる素材や部品は限定的で個別の障害に適した多種類の装具を提供することはできません。例えば、国立リハ病院の義肢装具製作部門で、使用できる熱可塑性プラスティックはほぼ1種類で、作れるAFOは写真にあるような物だけです(右写真は手作りの尖足防止)。金属支柱型も作製可能ですが、靴や製作時間(継ぎ手などの部品から手作りしなければならない)等の問題で片まひ患者用にはまず、作製されません。ヤンゴンでは輸入される既成品を購入することもできますが、可能なのは一定の所得がある人だけとなります。車椅子について、詳しい情報を確認できていませんが、ミャンマー国内では最も整備され、技術もある国リハ病院製作所でも小児用の簡易な座位保持装置を木製で作製するくらいで車椅子は作製できません。手に入る車椅子は重い標準型のみで、それも買えるとは限りません。引き続き途上国では下肢装具を集めております。ご協力のほど宜しく御願い致します。

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手作りされた3輪車

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右写真は電動タイプ。現地の方は、とても工夫されています。

大塚進先生経歴

経歴

国立障害者リハビリテーションセンター勤務を経て、7年間の大学教員の後、2010年10月からJICAシニア海外ボランティアの作業療法士としてタイに赴任。2年強の活動を終えて、2014年2月から12月までは、ミャンマーの国立リハビリテーション病院にJICAシニア海外ボランティアの作業療法士の短期ボランティアとして活動された。

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