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治りにくい褥瘡(床ずれ)改善には亜鉛が重要だった?|群馬大研究

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群馬大学大学院医学系研究科の茂木精一郎准教授らの研究グループは、亜鉛欠乏マウスと正常マウスに褥瘡を生じさせたところ、亜鉛欠乏マウスでは褥瘡のキズ(皮膚潰瘍)が大きくなりやすく治りづらいという結果を報告した。

▶︎ 【医学系研究科】治りづらい床ずれのメカニズムを解明

 

亜鉛は生体において必須な微量元素であり、高齢者においては摂取量不足、腸管の吸収率低下、生活習慣病の合併などによって亜鉛欠乏症が多いことが知られており、臨床の経験から、亜鉛欠乏によって、褥瘡が生じやすく治りにくくなると想定されていましたが、科学的に証明した研究はこれまでなかった。

 

亜鉛欠乏食または亜鉛含有食を 2 週間与えたマウスを用いて、マグネットを用いた 皮膚の圧迫による褥瘡モデルを作製し、圧迫部に生じる褥瘡の面積を比較した。

 

その結果、亜鉛欠乏マウスでは、皮膚の圧迫による褥瘡の大きさが有意に増大し、且つ治癒が遷延することを見出した。さらに、褥瘡部位における血管傷害量、アポトーシス細胞数 について検討したところ、褥瘡部位において、血管傷害量及びアポトーシス細胞数は亜鉛欠乏マウスで、正常マウスと比べて増加していた。このことから、亜鉛欠乏によって生じる酸化ストレスの増加が治りづらい床ずれを起こすメカニズムの一つと考えた。

 

また、亜鉛欠乏マウスの褥瘡部位では、細胞外 ATP 量の増加と、ATP を分解する CD39 を発現している皮膚ランゲルハンス細胞数が減少していた。これらの結果から、ATP 分解酵素が、亜鉛欠乏によって低下・機能不全となるため、細胞外 ATP が分解され ず増加して炎症が強く引き起こされると考えられた。この機序も床ずれが治りづらい原因の一つと考えた。

 

本研究成果は、『Journal of Dermatological Science』に発表されている。

治りにくい褥瘡(床ずれ)改善には亜鉛が重要だった?|群馬大研究

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