今年11月、財政制度等審議会・財政制度分科会が、令和2年度予算の編成等に関する建議(提言)を作成し、麻生太郎財務相へ提出した。
提出された建議の内容は、財政健全化に向けた基本的な考え方や、社会保障、地方財政などの令和2年度予算編成の現状や課題、改革の方向性が記載されている。
社会保障の課題では、介護の項目があり、「①給付・サービスの範囲の見直し」にて、現状と改革の考え方が挙げられた。
現状として、介護保険制度の給付・サービスの範囲は、制度の持続可能性を確保する点から、利用者が自立した生活をするために必要な範囲としている。これまでの改革として、要支援者の訪問・通所介護サービスを地域支援事業へ移行してきた。
今後の主な改革の方向は、要介護1・2の通所介護や訪問介護を全国一律の基準ではなく、総合事業に移行させ、地域の実情に合わせた多様な人材や資源を活用したサービスの提供を可能にすることが必要と示されている。
参考資料にて三菱総合研究所は、社会保障制度改革は不可欠であり、保険給付範囲の在り方の見直しや効率的な提供、負担の公平化が必要と発表している。
建議(提言)の介護の項目では、要介護1・2の通所介護、訪問介護を総合事業へ移行する内容のほか、ケアマネジメントサービスを自己負担にすることや、要介護認定率や一人当たり介護給付費について大きな地域差が存在し、適正化する必要があることなど書かれている。