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頚椎の慢性筋骨格系疼痛の鑑別①~Spurling testなど理学的検査の役割~

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『原因が不明なのが慢性疼痛』、一次性慢性疼痛であれば確かにそうかもしれません。しかし二次性の筋骨格系疼痛であれば痛みの原因が存在するため、各種評価やテストで鑑別していくことが有効です。今回は頸椎疾患に対して理学的検査、Spurling testを使った考察と痛みの鑑別を行いましたのでまとめてみます。

Buenos noces!terapeuta!(スペイン語でこんばんは療法士のみなさん)、週の真ん中水曜日の江原です。

 

本日は慢性筋骨格系疼痛に対する整形外科的テストの使い方と痛みの鑑別に役立つ視点について頚椎疾患を例にお話しします。頚椎が原因と考えられる症状について、痛みや症状の鑑別をどのように進めていますでしょうか?まさか単位を取るのにオクパード(スペイン語で忙しい)でおろそかにしてませんよね?

 

手術後の理学療法が多い病院の場合は、術後頚椎カラーを装着し可動域を制限されているのであまり意識しない領域かもしれません。クリニックや医師がいない施設の理学療法士は、頚部痛に対しては、問診、画像所見、理学所見を組み合わせた論理的思考過程を経て、医師に報告したり病院受診を促すことになると思います。

 

医師の診察とリハビリ処方が前提でのお話ですが、理学療法士を主体に話を進めます。

 

頚椎の症状は、椎骨、椎間板、椎間関節、靭帯などの異常によって頚部痛や頚部運動制限や頸椎弯曲異常が発生します。急性症状から慢性症状まで、一過性のものから持続的なものもあり、痛みなど症状の強さも部位も様々です。

 

頚椎の診察は、以下のように進行します。

<頚椎疾患診察>

病歴聴取と問診

理学的検査(整形外科的テスト)

神経学的検査(腱反射異常/感覚障害の検査/運動麻痺の検査/排尿排便障害の検査)

鑑別に有用な検査(絞扼性末梢神経障害・肩関節痛との鑑別)

リハビリでは、

・頚部症状か、上肢症状(下肢・膀胱直腸障害)か

・安静時痛か運動時痛か

・圧痛の有無

・神経徴候の有無(脊髄か神経根か)

 

について、医師の所見、画像所見、理学療法評価(MMT、感覚テスト、深部腱反射)を元に、痛みやしびれに関わる症状の仮説を立てます。ピットホールとしては、医師の診断(診断名)に左右されないことが重要です。診断から考え得るリスクには細心の注意を払うべきですが、診断によって臨床での論理的思考が停止しないように注意したいところです。

 

診断に左右されることの例として、『変形性頚椎症との診断で画像上も相談から関節や椎間板が痛みの原因だろう』という短絡的な推察です。

図1 変形性頚椎症による椎間孔の狭小化

図1を見るとC6とC7との間の椎体終板と椎間板が変性変形しているのがわかります。この画像と症状だけで判断して椎体や関節の痛みと決めつけてしまわないように注意してください。そこで理学療法士も、問診、理学的所見、神経学的検査と鑑別を行うべきであります。

図2 頚椎変性による椎間孔の狭小化2例

図2の2つの頚椎レントゲン画像をご覧ください。上も下もどちらも椎間孔に狭小化が認められます。

頚椎の慢性筋骨格系疼痛の鑑別①~Spurling testなど理学的検査の役割~

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