令和3年度介護報酬改定の主な事項について1月18日、第199回社会保障審議会介護給付費分科会にて発表された。
シリーズ第13回目の記事となる今回は通所リハビリテーション(以下通所リハ)の加算部分していきたい。
【本日の目次】
・各加算の実態を把握する
① 移行支援加算
② 生活行為向上リハビリテーション実施加算
・改定ポイントを再度整理する
各加算の実態を把握する
①移行支援加算(旧:社会参加支援加算)
【概要】
リハビリテーションの利用によりADL・IADLが向上し、社会参加に資する取組※に移行するなど、質の高いリハビリテーションを提供する事業所の体制を評価する。
※ 社会参加に資する取組とは、指定通所介護、小規模多機能型居宅介護、一般介護予防事業などへ移行すること。
【課題部分】
◯算定率 R1.10時点 8.4%
○ 通所リハビリテーション事業所における社会参加支援加算の要件である1年間の社会参加への移行状況の達成割合は41.6%、利用回転率の達成割合は84.2%。
○ 社会参加支援加算を算定している事業所では、そうでない事業所と比べ、リハビリテーション専門職の常勤換算数、総利用者数が有意に高かった。
○ また同加算を算定している利用者は、そうでない利用者と比べ、リハビリテーションマネジメント加算II以上の算定者割合が高く、また利用開始から6ヶ月後のIADLが有意に改善。
◯社会参加支援加算の移行状況の計算式にある「サービスの提供を終了した実人数」および「社会参加に資する取組を実施した実人数」の要介護度別の割合を比較すると、要介護3以上では「サービスの提供を終了した実人数」に占める割合より「社会参加に資する取組を実施した実人数」の割合が小さい。◯社会参加支援加算の算定が困難な理由として、利用者や家族のリハビリ継続の希望が強いことなどが挙げられている。
②生活行為向上リハビリテーション実施加算
生活行為向上リハビリテーション実施加算は、ADLやIADLなどの生活機能が低下する廃用症候群への早期対応を促す観点から、平成27年度の介護報酬改定において創設されている。
【課題部分】
算定率 :R1.10時点 0.9%
○ 生活行為向上リハビリテーション実施加算の算定が困難な理由として、算定していない事業所では、リハマネ加算Ⅱ~Ⅳの取得が困難であるとする割合が高く、また、算定している事業所では、加算期間が6ヶ月で終了することの理解が得られないとする割合が高い。
○ 生活行為向上リハビリテーション実施加算の算定率は1%以下であるが、その理由として利用者の経済的な負担が大きいことや、加算期間が6ヶ月間で修了することの理解が得られないことが挙げられている。
改定ポイントの再整理
移行支援加算
・移行支援加算(旧:社会参加支援加算)→12単位(変更なし)
【算定要件】
・評価対象期間においてリハビリテーション終了者のうち、指定通所介護等を実施した者の割合が、100分の3を超えていること。
・リハビリテーションの利用の回転率
12月/平均利用延月数≧27%
・評価対象期間中にリハビリテーションの提供を終了した日から起算して14日以降44日以内に、リハビリテーション終了者に対して、電話等により、指定通所介護等の実施状況を確認し、記録すること。
・リハビリテーション終了者が指定通所介護等の事業所へ移行するにあたり、当該利用者のリハビリテーション計画書を移行先の事業所へ提供すること。
生活行為向上リハビリテーション実施加算
【通所リハ】
<現行>
3月以内2,000単位/月
3月超、6月以内1,000単位/月
※ 当該加算によるリハビリテーションを終えた後に継続する場合、当該翌月から6月以内の間所定単位数を15/100減算
<改定後>
6月以内 1,250単位/月 ※減算は廃止
【介護予防通所リハ】
<現行>
3月以内900単位/月
3月超、6月以内450単位/月
※ 当該加算によるリハビリテーションを終えた後に継続する場合、当該翌月から6月以内の間所定単位数を15/100減算
<改定後>
6月以内 562単位/月
【算定要件】
○ 生活行為の内容の充実を図るための専門的な知識や経験を有する作業療法士、生活行為の内容の充実を図るための研修を修了した理学療法士、言語聴覚士が配置されていること。
○ 生活行為の内容の充実を図るための目標や、目標を踏まえたリハビリテーションの実施頻度、実施場所等が記載されたリハビリテーション実施計画を定めて、リハビリテーションを提供すること。
○ 当該計画で定めたリハビリテーションの実施期間中及びリハビリテーションの提供終了日前1月以内にリハビリテーション会議を開催し、目標の達成状況を報告すること。
○ リハビリテーションマネジメント加算(A)・(B)のいずれかを算定していること(通所リハビリテーションのみ)。
○ 指定通所リハビリテーション事業所の医師又は医師の指示を受けた理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が当該利用者の居宅を訪問し生活行為に関する評価をおおむね1月に1回以上実施すること(新規)
以上が通所リハビリテーションに係る移行支援加算・生活行為向上リハビリテーション実施加算の改定概要となる。
移行支援加算については、
社会保障審議会(介護給付費分科会)でも様々な方向性から検討されており、
加算自体の評価が他サービスへの移行を評価している側面が強いことから今回名称の変更が行われている。
医師がかかわるサービスについては通所リハ、訪問リハ含めより明確にアウトカムの評価が行われる改定となっている。
利用者をどのように自立支援に導くか、より地域資源との情報共有を活発にして移行を進めていく必要性があるといえる。
生活行為リハビリテーション実施加算については、下図への理解を深め、
事業所全体のデザインにどのようにこの加算を組み込むか?
向き合う必要がある改定となっている。
生活行為向上リハビリテーション実施加算によってマネジメントする内容は、
【通所訓練期】【社会適応訓練期】に分けて、
具体的にご本人の生活行為に目標を細かく設定し実践していくことであり、医師も含めご家族及び利用者も巻き込んで実施していくところまでマネジメントが必要となる。
サービス提供時間のベースをどのように定め、別枠のサービス提供時間を設けるなどして生活行為向上リハビリテーションを
実施仕切る余力をどのように作っていくか医師も含め検討しきる努力が必要になるといえる。
通所リハビリテーション全体の総括としては、
通いの時間の限りなく広い範囲全てにおいて自立支援に資する取組をデザインできるかが重要視される改定となった。必然的に提供できるリハビリテーションもリハビリテーション3職種による幅広い視点が必要になり、
令和3年度介護報酬改定に関する要望(全国リハビリテーション医療関連団体協議会)
・リハビリテーション3職種の配置がなされている事業所は27%
・1職種のみの配置の割合も32%
上記のような課題にどのように取り組んでいくかが、次期改定の準備として必要になるのではないだろうか?
【目次】
第九回:令和3年度介護報酬改定案(通所リハビリテーション1)
第十回:令和3年度介護報酬改定案(通所リハビリテーション2)
第十二回:令和3年度介護報酬改定案(通所リハビリテーション4)
第十三回:令和3年度介護報酬改定案(通所リハビリテーション5)