週の真ん中水曜日の江原です。慢性疼痛は原因不明と言われることも多いですが、患者によっては複数の原因が混在していると感じることもあります。がん性疼痛や脊椎関連の腰痛は患者の表現も多彩で、疼痛原因が混合する代表的な疾患です。慢性疼痛の50%が混合していると推定されています1)。
慢性疼痛疾患としての捉え方と分類~提案と批判~
慢性疼痛は、長期にわたる「病気」として捉えられるべきものだという認識が広まりつつあります。
一般的に急性の痛みは、組織の損傷に対する防御反応であり、自然治癒や治療によって解消されます。一方慢性疼痛は、一度発症すると痛みが長期間にわたって持続し、患者の日常生活や精神的健康に深刻な影響を及ぼします。
その代表的な疾患として、腰痛や関節痛、頭痛が挙げられ、特に女性や高齢者に多く見られる傾向があります2)。